【一人称を変える試み2】 おらは猫だべ
もしも”I ILOVE 田舎”な人が猫だったら
おらは猫だべ。名前はまだね。
どこで生まれたんだべ。とんと見当つかねな。なんでも薄暗いジメジメしたところでニャーニャー鳴いてたことだけは覚えてんだげんじょ。おらはここではじめて人間つうものを見ただ。しかも、あとで聞くとそれは書生とかいう獰悪な種族なんだと。この書生つうのは時々おらたちを捕まえて煮て食うっつうでねえか。だげんじょも、その当時はなんつう考えもねがったんで、別段おっかねーとも思わねがった。ただ、その手のひらに載っけらっちスーと持ち上げらっちゃ時なんだかふわふわしたようだったな。手のひらの上で少し落ち着いて書生の顔を見たのがいわゆる人間つうものの見始めだったんだべな。こんとき妙なものだと思った感じが今でも残ってんだ。第一毛でもって飾んなんね顔がつるつるしてまるでやかんでねえか。その後、猫にも随分と遭ったげんじょよ、こんなおんずくねえ奴には一度も出くわしたことがねえ。そんだけでねくて、顔の真ん中がすげえ突起してんだ。そうしてその穴からときどきぷうぷうと煙を吹くだ。咽っぽくてすげえ弱ったな。これが人間の飲む煙草つうもんだつうことはようやくこの頃知っただげんじょも。
🔳 これをDeeplで英訳してみました。
I am a cat. I don't have a name yet. Where was I born? I have no idea. All I remember is that I was crying in a dark and gloomy place. It was here that I first saw a human being. I later heard that they were a fierce race of “shosei,” or “calligraphers. These “shosei” sometimes caught us and boiled us for food, you know. At the time, I had no idea what they were like, and I didn't think they were all that scary. But when I lifted it up in my palm, it felt a little fluffy. I guess it was the first time I saw a human being's face after it had settled down a little in my palm. I still have the feeling that it was a strange thing. First of all, the face was so smooth and ornamented with hair that it looked like a kettle. I have met many cats since then, but I have never come across one with such an unmistakable look. Not only that, but the middle of his face has a huge protrusion. He sometimes blew smoke from that hole. It was very throaty and made me feel very weak. It was around this time that I finally learned that this was the kind of tobacco people drank.
Translated with DeepL.com (free version)
英語には一人称がひとつしかない。日本語にはたくさんある。一人称を変える試みをしてみようと思った。
吾輩 [代]一人称の人代名詞。男性が用いる。
1 おれさま。わし。余。尊大の気持ちを含めていう。「—にまかせておけ」
おら[代]一人称の人代名詞。 おれ。 おいら。 近世には、江戸町人の女性も用いた。
らうす・こんぶ/仕事は日本語を教えたり、日本語で書いたりすること。21年間のニューヨーク生活に終止符を打ち、東京在住。やっぱり日本語で話したり、書いたり、読んだり、考えたりするのがいちばん気持ちいいので、これからはもっと日本語と深く関わっていきたい。
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