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シーシャ屋に行ったら店員にアレをもらった件について

この記事はとあるシーシャ屋のお兄さんとの話にアレをもらったことから始まった。

2022年。
新年の1発目の月のこと。
わたしはちょうど会社帰りで、相も変わらずに、仕事と家の往復に対して憂鬱になっていた。私のスキルの低さといつになったらやめようかと、転職エージェントサイトを眺め続けていた時、TwitterやInstagramには○○さんと撮影してきましたーと、顔のいい黄色い女がまるで女優みたいにツイートしやがるのだ。

くそ、僕にだってリア充的存在でありたいのに。

そんなタイムラインの中で友人のtochiから『明日デートに行かないか?』という募集をかけてあるのを見つけ、僕はすぐ連絡した。大阪はコロナの波の再発によってしばらく行けそうにないと躊躇ったが、リア充になりたい僕はすぐ連絡をしたのだ。

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集合場所は毎度お馴染みのRoom305。お世話になってるパイソンさんは今日もいそいそと次の展示作業をしている。会期中の写真展『GRと私。』では様々なスナップ写真が綺麗に並べられて展示されていたのを見た。ただ、ひたすらにその作者が見た景色がきれいに並べられていて、すごく日常のあったかさを感じたようだった。作者が何人かいて、カメラをさわらせてもらった。ある程度、展示を見て、我々は難波に向かった。

難波は大変混み合っていて、マスクを外して、道端で酒を飲んでいる非常識なやつらもいた。なんなら子供も同じようにマスクを外しているではないか。難波の路地裏の小さな白玉屋さんでお茶をしばき、日本橋へ向かう。

『そうださっちょん、シーシャ行きたくない?』昔の付き合いのある友人は、僕の旧名のハンドルネームで呼ばれることがある。さっちょんと名付けてくれた大学の友人の岡部くんよ、この記事でお礼を言いたい。いい名前をつけてくれて本当にありがとう。僕は、その提案に乗って、日本橋に最近できたシーシャバーへ向かうのであった。

シーシャバー、SAI
さて、冒頭の説明通り、シーシャバーへ着いたのだが、Google mapsで調べても全然着かない事を覚えている。ようやく辿り着き、受付を済ませ、席に着いた。

勢いのあるお兄さんが、メニューの説明の話をしてもらい、ソフトドリンクを1杯ずつ注文した。お兄さんは『了解です〜!ちょっと待っててね〜』と急足で作業場へと向かった。

『ここ、コンセプトカフェなんかな?このピクチャーって書いてあるのチェキのことかな?誰と撮るんだろ?』

『わからんねぇ、チェキはお兄さんと撮るのかな?お兄さんとなら珍しいよね。やっぱサッチョンは写真に興味あるよね』

たわいのない会話が続き、お互いに買った購入品の写真集を読んだ。クラウスゲーハート氏の『抱擁する男たち』を読むには絶好の場所だった。男たちが全裸で抱き合う様に、僕はちょっと興奮する。ゲイに趣味でもあるのか?とよぎったくらいに。

しばらくしてお兄さんがやってきた。

『あ、お姉さん写真家かなんかなの?チェキとか気にしてたからさ。撮る時言ってねー。』

『あ、じゃあこのピクチャーとやらのやつはチェキだったんですね。これはお兄さんと撮るんですか?』

『僕ともいいし、自由に使ってもいいよん!あ、そうそうおねえさん達の名前聞いてなかった!ほい!名前を教えてください』

友人のtochiは、すぐ名前を言った。しかし僕の内心は戦争のように焦っていた。え!?名前言うの!?!?遠隔vibrationという名前で、しかも男の人の前だと思うとなお一層焦りが増す。えと、その…

『え、遠隔…ば、vibrationで…』

『は?バイブ?』

『え、遠隔vibrationで!』

世の中に女性でこんなにもお下劣な名前の人はいただろうか。いや、いないな。しかし、この名を背負って生きているんだと僕は悟りに入った。お兄さんは数秒黙って、笑いながら言った。

『バイブてwwwバイブてwwwwおもろい名前ですねwwwははは』

ああ、笑っておくがいい。僕は笑われて構わない。その人の印象に残ったらOKだからな。そうするとお兄さんは笑いながら言った。

『あ、じゃあ教えてもらったお礼に、ちょっと待ってて。いいのあげる!』

お兄さんは作業場からなにかを取り出し、僕に渡した。黒い袋に包まれた硬いものだった。こんな袋、サニタリーボックスの袋以来だよとおどろいた。

『動物マスクファックス』

おい、AVじゃねえか。貴様、客に渡して何を楽しんでやがる。そもそも、客に渡すかよ。見るけどさ!(やる気)と奮起させながらも渡されたAV。お兄さんが言うには、DMで一言、感想を教えてくれというのだ。僕は、天理に帰ってそのDVDを見た。冒頭から、ナイスバディな女体の女優が動物のマスクを被って妖艶に踊った後、マスクを被ったまま、性行為シーンには入る。なんと言ったらいいのか。エキゾチックセックス。

この件に踏まえて、僕は1つ学んだ。

『知らない人にAVを渡されたら素直にもらわないこと。』

見終わる頃には午前1時をすぎていた。
僕は、パソコンの液晶だけを消して、音声だけ流して寝た。

喘ぐ女の声が部屋に広がった。

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