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「赤いまま」という怪談について
子供の頃に読んだ怪談で、「赤いまま」というものがあった。「まま」とは「ご飯」の意味。怪談といっても幽霊や怪異の類は出てこない。以下がその内容である。
江戸時代、その中の飢饉が起こっていた時期。農村では作物が取れず、皆ひもじい思いをしていた。
そんなある日、農家の子供が村人に
「赤いまま(ご飯)食べた」
と言って回った。
赤いご飯=赤飯と思った村人は、村に住む農民が我が子に赤飯を盗み食いさせたと考え、父である農民の男に詰め寄った。男は必死に違うと訴えたが、なお「赤いまま食べた」と話す子供を前に、信じる者はいなかった。多くの村人に詰め寄られてパニックになった男は、己の潔白を証明するために、手にしていた鎌で我が子の腹を切り裂いた。子供の胃の中から出てきたものは、赤飯ではなく赤蛙だった。
子供の頃(小学生だったと思う)、この話を本で読み、怖いというよりも「いくらパニックになったからって我が子の腹を裂くか?」とドン引きした記憶がある。怪異が出てこないこの話を怪談と称したのは、怪談がまとめられた本の中の一話だったからだ。実家には怪談をまとめた本の類がないため、図書館かどこかで借りて読んだのだろう。
大人になり、「赤いまま」の出典が気になった。ところが、周囲の友達に聞いても誰もこの話を知らなかった。ネットで検索しても一切引っかからず、「赤いまま」の話は暗礁に乗り上げた。学校で江戸の飢饉について学ぶ前に読んだ話のため、自分で創作した話である可能性は低い。何より「本で読んだ」と確信している。
「赤いまま」について知っている方、似たような話を読んだことがある方、出典が知りたいのでお気軽にコメントよろしくお願いします。