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M-1の残酷さ

2024は、M1グランプリをテレビで見た。
久しぶりにまともにテレビ番組を見た気がする。
やっぱり、令和ロマンが2連覇するのか、
気になったから、
それと真空ジェシカ見たさで観た。
で、結論を言うと、才能って本当に残酷だと
感じた。
ほかの芸人たちが、10年以上努力しても、
若い才能ある令和ロマンには
圧倒的な差がある。
決勝に行った芸人たちが、
長年本気で努力してきて、頑張ってきたのが
ドキュメンタリーとかで分かっているだけに、
努力では覆せないセンスの差っていうのが、
本当に浮き彫りになっていた。
観客のウケた笑い声の大きさも全然違う。
下位になったコンビは、
自分たちの漫才だけがあまりウケず、
ほかのコンビや
令和ロマンの漫才だけがウケるという
感覚は、筆舌に尽くしがたい感覚だったと思う。
あまりウケず、静まり返った観客席に、
何を感じたんだろう。

運とか、ネタのチョイスもあるにしても、
大会用に受けやすい漫才を作る能力において、
こんなに歴然の差が生まれるのかと、
ちょっと引いた。
M-1って、もうちょっと、
僅差になるイメージだった。
真空ジェシカとかエバースも面白かったし、
自分は真空ジェシカが好きだから優勝してほしかったけど、
わかりにくいネタでなく、
誰にでもウケる漫才を上手に作る能力、
しかも審査員からの評価も高くなる構成の漫才を、簡単に仕上げてしまった、
という感じに見えた。
もちろん試行錯誤はたくさんしただろうけど、
賢くてセンスがある人って、こんなに
キレイにネタを作って、
キレイに勝つんだな、、と。
M-1が陸上競技だとしたら、みんな横一列で始まって
だんだん差が開くけど、
令和ロマンは、ひとりだけ、いや2人だけ、
未来の”くるま”とか、
最新の乗り物に乗っている感じだった。
真空ジェシカだけは超能力で浮いてついて来ている感じだった。
来年は真空が優勝候補になるのかわからないけど。
とにかく、努力って、
センスや賢さがないと、
本当に結果には結びつかないんだな、というか、
お笑いって夢がある世界だけど、
こんなに残酷なんだと。
鳴かず飛ばずの芸人でも、ワンチャン夢を掴める番組、というイメージだったけど、
フタを開けたら、
21世紀のコロッセオだった。
純粋な弱肉強食で、
才能や頭の良さには、
涙ぐましい努力では絶対に勝てないというのが、
これでもかと実証された番組だった。
M-1で描かれたのは、芸人たちの夢ではなく、
芸人たちの血と涙が無残に砕かれる、
シビアで残酷な現実だった、
そんな感覚。
ある意味、すごいとも思う。
審査は厳正で、一切の温情や忖度はない。
最高に面白くて笑えるけど、
笑えない。
ただ現実を思い知らされる大会、それが自分にとってのM-1 2024だった。

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