語れない障害②
11/9の記事から少し考えが進んだ。
私にとって「現実感喪失」の苦しみの一つに身体感覚を見失うというものがある。
たとえば、声の出し方が分からなくなる。
無理やり声を振り絞っても思いをのせられない。
声が自分のものでないかのよう。
うまく声を出せなければ語れない。
そもそも記憶自体を思い起こせない。
言いたいことが置き去りになる。
語らないのは自分なのに疎外感が募る。
ネガティブな日には周囲の談笑に敵意を感じる。
朝礼の司会なんて究極の苦痛だ。
改善するために2年前からボイストレーニングを始めた。
出会った先生は「叫べない苦しみ」を経験した人だった。
歌唱スキルのみに着目するのでなく「生活に役立つように」と願ってくれた。
少し変わったこと。
声を張ることで(といっても人並みだけど)少し人に飲まれにくくなった。
かつては、周囲の声や視線が胸の奥まで侵入してきて、あっぷあっぷしながら答えていた。
いまは周囲との接点を空中まで遠ざけてちょっと安全でいられる感じ。
まだまだ会話に入りづらいんだけどね。
なんでこんなに人生遠回りなんかなぁ…と思うときもあるけれど、人がふつう意識しないことを一つひとつ分解して学ぶことで、同じ苦しみを抱える人に活かすことができるかもしれないと今日は思う。
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