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STAND BY ME ドラえもん2
ストーリーや設定はともかく、菅田将暉さんの歌で泣ける映画やった。一生そばにいるから~一生そばにいて~♪(近くのお子が口ずさんでいた。)
1作目はあらゆる感動を詰め込みすぎて、取っ散らかった感があったが、今作は一応落ち着いて作られているかな。のび太の家族を通した成長物語で、ほっこりできる。(設定は無茶苦茶やけど、まぁしゃーない。)
でも、それ以上に見ていて思ったのが、そろそろドラえもんとは決別しないといけないということ。別にドラえもんが嫌いとかじゃないけど、ドラえもんに安心感を得すぎというか、頼りすぎてるんやと思う。
というのも、今回の映画が描かれている世界観は今の当たり前が詰め込まれすぎてんねん。
しずかちゃんを幸せにする、テストは0点、そのテストを隠す、隠したのを母親に怒られる、将来のお嫁さんを見たい、新郎がスピーチをする…などなど、ドラえもんを見ているとお馴染みの出来事。
でも、僕は違和感しか感じない。もうドラえもんの世界を素直に受け入れられへんねやなと思った。
大好きなおばあちゃんに「将来のお嫁さんが見たい。」って言われたら、僕はずっと、苦しむ。
もちろん藤子F不二雄の原作の世界観を作り替えたら、それはドラえもんでもないし、魅力も全くなくなるだろう。でも、もうその価値観ではあかんのちゃうやろか。
これを見た子が、家族ってこんなもん、人生ってこんなもんってステレオタイプを刷り込まれていくことって、そんなに少なくないと思う。
これが、思ったよりその子の人生を左右する。
いくら子どもの見るもの(御幣があるかな)といっても、いや子どもの見るものだからこそ、概念形成に強く影響するということを意識して作られなければならない~!と思ってしまった。
ただ、この作品を単独で考えるからであって、ドラえもんが描かれている概念と対立軸の作品がもっと広く親しまれていれば、「あぁ、そういう価値観もあるし、こういう価値観もあるよね。」となる。でも、ドラえもんは強すぎる気がする。大人も、ある意味安心して見せている。でももうドラえもんに頼りすぎるのはやめた方がいい気がする。
以前、プリキュアに男性のプリキュアが出てきた、ということも聞いたことがある。価値観は常にアップデートしていかなければならない。それは、一つの作品の中でも言えるし、いろいろな作品が親しまれるようになるということでもある。
たった25年であんなにも様子が近未来的になっているのなら、結婚式はあの形じゃないし、もっと多様な価値観を表現できるやろ!