「救ってみろ」
作り物の桜だと思った
その花びらは大きく見開いていて
取って付けたようかのようだったから
だんだん
人によって季節までが操作されて行くような気がした
まだ夜か明け方かわからないような時刻に鳥が鳴いた
明るく高い可愛らしい声
烏たちよりも早く
ふいに聞こえてくるのは
ジュイー
ジュイー
ひとしきり午後鳴く
鳥
虫だったら少々怖い大きさの
ケーンンン…
雉が鳴いたのもほんの2日ばかり
様々な蛙たちが様々な声で次々と鳴き始める
斑…まだら…斑…まだら
点在するのみだったそれは
やがてびっしりと蔓延ろう
自然に触れる事は良い事だと思う
癒やしや救いになると簡単に喜べると言うのなら
私を救え