月は心を残す
黄泉に隠れる太陽を思い
白く寒い大地で歌を捧げた
人々は彼女の姿の遥か向こうに赤い夕陽を見た
戦わねばならないワコウドタチは女神の歌声に、誰を思い浮かべたのか
研ぎ澄まされた仮面の下で
海底に沈んだ太陽を見下ろす
山かげからあの人が光輝きながら出て来ても
わたしはまだ消えたくない
少しづつ
少しづつ
遠ざかっていくけれど、いくけれど
あなたは何かの死角に隠れてた
そんなわたしを見て
やっと姿を現すの
わたしは糸の切れた風船のように
もういなかった
そして時々
復讐する
あなたに黒い衣をあげる
夜はわたしの言いなりの世界だから
あなたの姿をすっぽり隠すことが出来る
それでもわたしの心は
隠しきれない日もあってね
あなたの姿が夜でも見えてしまったんだ
金の環はわたしとの約束にして
まだわたしを忘れないと