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A2Z『私にとってA2Zはナツとカズの大人のラブストーリー』田中圭贔屓の感想
あたりさわりのない、ネタバレ無しレビューから、段階的にどんどん深いところへ
最後、ぶっちゃけまくりのレビューへと
お付き合いいただけるかたは、お付き合いください。
ドラマレビュー(ネタバレ無し)
田中圭さんの大ファンなので、カズを田中圭さんがやってくれると知って、めちゃくちゃめちゃくちゃ嬉しかったです!
カズは、ちょっとズルくてカッコいい、大人の男だと思っていましたが、
田中圭さん演じるカズに撃ち抜かれました。
え?こんなに可愛いの?
こんな可愛いカズをありがとうございます。
見た目のカッコ良さと可愛さのブレンド加減も秀逸ですが、
私が何より想定外で目を見張ったのは、人としての可愛さ。
許す!
カズのちょっと腹立たしかった部分も丸ごとひっくるめて許しちゃう!
ホント可愛くてズルくて、可愛いくて憎めない、可愛い大人の男になってましたね!
Filmarksのドラマレビューも、全体的には賛否両論でしたが、圭くんに関してはめちゃくちゃ良い感想が目立ちました。
原作は、ナツがすでに恋人がいる設定から始まるので、カズひどい〜とは微塵も思ってなかったんですが
ドラマ見ると、ちょっとカズの方が分が悪いから心配したけど、みなさんどう思ったのかな?
今、もう一度、ドラマを見てから圭くんの声でアテ読みしているところです。
幸せ〜♡
最終話、また見返してるけど、圭くんのセリフの落とし込みかたが半端ない
役を生きてる...
そこまでの、飄々としたカズと、最終話の感情に揺さぶれる様子
どちらもカズにしか見えないのに、まるで違う心情に見えるのすごいなぁ
情報まとめを挟んで、この下に
原作とドラマのネタバレを含む感想を
A2Z情報まとめ
(ネタバレ)原作にあったシーン、無かったシーン
原作にあって、ドラマに無かった描写はもちろんいろいろあるのですが、
特に印象的だった違いを。
成生のおばあちゃんが亡くなって、ナツが自分は、いて欲しい時にいてあげられない女だと実感するシーン。
原作では、花火の時の終わりを予感する会話を思い出しながら、夜遅くに成生の家を訪ねたら、成生はいなくて...という設定でした。
ドラマでは、倒れたカズの病院に駆けつけて...という設定で。
これ、ナツにとっては、なおさらキツい状況ですよね。
それと、最後のカズとのラストシーンのメガネ。
これは、ドラマだけでも、わかる人には分かっていた状況だと思うんですが
原作を読んでいなければ、そこまで意識せずに見てしまった人もいるかも。
原作では、ここが私は一番グッとくるシーンでした。
カーズー!おまえ〜!(全力ハグ)って!
でも、田中圭さんの視線や表情で十分伝わったから、説明ゼリフはいらなかったのかな。
マジで、圭くんがカズとして、本当に息をしてそこにいるというか、
あの繊細な文章で語られてこそイキイキと魅力的であった登場人物を、生身の人間で説得力を持って生き切った凄さに震えました。
配信開始から、イッキ見して、夜明けのテンションでブラボーと叫びたい気持ちでした。
...正直なところ...
脚本家さんも原作ファンなのか、原作に忠実に作ろうという方針だったのか。
セリフ部分や、主人公の心の声(ドラマでは深キョンのナレーション)は、ほとんど小説の言葉そのままで使われていました。
山田詠美さんや、その作品へのリスペクト、小説の世界観を大切にしようという思いが感じられて、原作ファンとしては、心地良かったです。
正直なところ、小説として美しい表現を、そのままドラマのセリフにするのは、かなり難易度が高いと感じました。
軽妙洒脱なセリフの応酬。
ウィットに富んだ大人の会話。
文学作品で美しい、洒脱だと感じられるセリフと、実際に私たちが生活しながら話している言葉には乖離があって。
それを自分の中に落とし込んで、自分の言葉のように自然に話すのは、とても難しそうで。
田中圭さん、すごかったです。
イキイキと自分の言葉のようにセリフをあやつり、カズという人物を原作よりもさらに人間味の溢れた魅力的な人物に仕上げていました。
脇を固める実力派の俳優さんたちも、良いスパイスでした。
夜中に真っ暗な部屋で飲みながら見ました。(シャンパンではないけど。)
いい気分のほろ酔いかげんで夜中に見たせいか、レビューサイトの書き込みのような、辛口な気分にはなりませんでした。
私は好きです。
★もっと踏み込んだネタバレ★
原作に無かったシーンで、私がとても好きだったシーンがあります。
カズが郵便局に乗り込んで行くシーン。
ここは、原作に全くないエピソードです。
このシーンをドラマで作ってくれてありがとうございます!
まず第一に原作は、ナツ目線のみで語られているので、ナツのいない場面は、ナツとの会話でしか出てこないこと。
(カズがこっそりナツに内緒でやったことだからね)
それと、原作のナツは、携帯電話を持っていない。
(だから、『郵便局』という着信ディスプレイも見ることはない。)
ただ、成生が家にかけてきた電話をカズが取るシーンはあります。
むしろこれは物語的には、ナツの夫と話してしまうことで、成生に心理的ダメージを与えるという効果。
ここから加速度的に成生が苦しくなっていくというエッセンス的な効果です。
そして、さっきのネタバレでも触れた、メガネのシーン。
これから小説を読む予定がある人は、ここから先は読まなでください。
ここ、原作のめっちゃくちゃいいところだから!!!
荷物を抱えて家に戻ってきて、どういう顔をしていいかわからないと感じているナツ。
そんなナツの気持ちに気づかない様子で、目の前の原稿に没頭しているカズ。
いつもと変わらないカズの様子に、気が楽になって、軽妙なやりとりをする2人ですが、
「おかんえなさい」
全く原稿から顔を上げようともしないままカズが、何気ないふうで言ったとき、初めてナツは気が付きます。
近眼でメガネをかけないと目の前の原稿すら見えないカズが、メガネをかけていない事に。
ここで思い出される、パーティーの時の一文。
『本当に殊勝な時には、上の空の振りをする』
ナツとカズ。私の大好きな夫婦です(泣)
私にとって、成生と冬ちゃんは、恋のエッセンスとも言える摘み食い。
A2Zはナツとカズの、ちょっと癖のある大人たちのラブストーリーだと思っています。
好きだったシーン
先程もあげたシーンですが、『おかえんなさい』この言い方、なんとも言えないほど良かったなぁ。
カズがナツに話すときの気のおけない話し方も好きですが、
冬ちゃんと話す時の甘ったるい、どこまでも甘やかすような話し方が最高で、たまらなかったです。
ナツとケンカして、クッションから目だけを出しているところ、めちゃくちゃ可愛いかった。笑
原作のーーー一浩は、抱えたクッションの陰から目だけを出して私をうかがっているーーーという描写で、ここまで可愛くなれる田中圭、優勝です!
あんなにクッションを投げたのは、深キョンのアドリブだったみたいなので、圭くんのリアクションのアレコレもアドリブの動きもはいっているかと思うと、さらに可愛いです。
原作の時代背景と、流してもらっていい私の思い出話
山田詠美さんが世に出た頃、私はまだ少女で。詠美さんの作品を、目をキラキラさせて読んでいました。カッコいい大人の世界を見せてくれるステキなお姉さん。
私が大人になった時は、もうバブルは弾けて世の中は就職難とか不景気の影が差し込んでいたけど、
ギリギリ滑り込みでバブルの余韻も少しは味わえた世代。
私も出版社に就職して、あんなふうにパーティーに出たりした。
小説家になりたくて、オシャレな小説を書き散らしたりもした。
まだ今みたいにネットで不道徳を叩かれる時代ではなく、
現実でも、バリバリ働いて好きなことをする、ヤンチャな一世代上の大人たちを、カッコいいと思いながら見ていました。
時が経ち、このA2Zが出版された頃には、もう私は結婚して家庭に入って子供も産まれて、私の中の山田詠美さんに憧れていた時代は去っていたけど、
うんうん懐かしいな、私たちこんなふうにバリバリ働いて、時に不道徳で、キラキラしていたな、と。
懐かしく読んだ記憶があります。
何でも持ってる大人の女に、若さしか持たない男の子がくれるもの。若い恋人とコインランドリーでじゃれあったり、何も無い床でご飯を食べるとか。
試してみたい未来ではあったかも。
今、この世界を見て若い人たちはどう感じるのかな?とレビューを見に行くと
『古臭い』バッサリ(笑)
いいんだ(笑)私たちは、こんなふうにキラキラと楽しくすごしていました。
すごく懐かしく幸せな気分になったので、刺さる世代には刺ささってるよね?と、ニンマリ。