見出し画像

日本は財政破綻しまし「た」(その1)

はじめに

日本は財政破綻しまし「た」。こう言うと「何を言ってるんだ。こいつは。」と思われるかもしれません。ですが、これは私の個人的な認識、見解ではなく、政府見解と言って差し支えないでしょう。

内閣府の経済諮問会議では、基礎的財政収支についての試算を定期的に出しています。その資料・・・・を見るのが一番良いのですが、ここでは簡単にその内容について報道したニュースを見てみましょう。

基礎的財政収支の黒字化 2年後にずれて2027年度に(19/08/01) https://youtu.be/3ur07qMrZek

ニュースでは何を言っているでしょうか?成長率が想定より低く税収が上がらず、基礎的財政収支の黒字化が2年ずれ込むと言っていますね。ですが、重要なのはそこではありません。重視すべきは、「成長率が現在と同程度なら黒字化めど立たず」という点です。

20200620黒字化のめど立たず

2年後にずれ込む、と言っているのは、このニュースが報道された時点、令和元年8月1日の「(経済)成長率の倍以上の成長率が達成出来たら」という条件付きの話で、そのような成長率は第2次安倍政権において1度も達成できていません。達成できない成長率を前提に、2年後にずれ込むだなんだと議論したところで何の意味もありませんし、今、令和2年6月現在起きている新型コロナの影響で、経済は大きく冷え込み、ニュース報道があった時点の経済成長率もままならない状況です。

20200620楽観的な試算は現実の2.5倍

20200620楽観的な試算は2018年は4倍

20200620安倍政権の名目成長率(暦年)

「基礎的財政収支が黒字化のめどが立たない」ということは、どういうことでしょうか。基礎的財政収支とは、国債費(国債の償還(返済)および、利払い)を除いた、借金返済以外の支出を、税収・税外収入、要は借金をせずにまかない、余らせる(黒字になる)かどうか、もっとくだけて言えば、「黒字化=借金が返済できる」ということです。つまり、「黒字化のめどが立たない」というのは、日本政府は「借金を返済する計画が立てられない」ということです。

20200620国債を返済する計画が立てられない

「日本政府は、現状の経済成長率では、国債を返済する計画を立てられない」と内閣府の経済諮問会議で定期的に発表しているのです。(不思議なことに、日本国民は全く無反応と言っていい状況ですが。)

20200620今の日本は

あなたが借金をしていて、貸し手である金融機関に「自身の借金を返済する計画が立てられない」と担当者に言ったらどんなことが起きるでしょう?金融機関はあなたの債務者区分を即座に破綻先か実質破たん先と見なし、あなたから借金を出来うる限りの回収にかかるのではないでしょうか。
もちろん1人の日本国民と日本政府は同列ではありませんが、日本政府の財政が、他の誰でもない日本政府によって、破たん状態であることを発表している状況であることをご理解いただければ幸いです。

ここから先は

2,575字 / 5画像

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?