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悪夢とミスチルと反省について思うこと

とある日の早朝。
まだ外も暗い時間帯、地獄のような悪夢にうなされ目が覚める。
余程のパワーのあるエピソードでない限り夢の話を語るのは僕にとって困難ことなのでここでは詳細を割愛するが、ざっくりと言うならば命の危険を感じる内容だった。

目を覚ました瞬間、瞬時に原因が判明する。
ジブリが生み出した巨大生物の腹の上に乗るメイちゃんよろしく、質量15kg程度の小型生物が僕の溝落ちから胸部にかけて覆い被さり眠っていた。
睡眠状態でベッド上を縦横無尽に動き回り、起伏を物ともせず不安定な場所に落ち着く娘の寝相、一体どんなアルゴリズムが組み込まれているのか。
親の顔を見てみたい。


Mr.Childrenが好きだ、という話を以前の記事に書いた。

こんな記事を書いたにもかかわらず、少し前に「miss you」というタイトルのアルバムがリリースされていたことに気付かなかった。
少なくとも前回のアルバムまでは、発売日を楽しみに待っていたのに。
そして、前回の作品から約3年経っているという。
そんなに経ったか?

年齢を重ねるにつれ体感的な時間の流れが加速すると言われているが、本当にそうなのだと思う。
そして、色んなことへの興味が弱くなってきている。
というか、アンテナの感度が鈍ってきているような気がする。
ヨドバシあたりに行けば、後継品を提案してもらえるだろうか。

トトロ化して悪夢にうなされたその日、仕事で使うDVD-Rを買いに会社の近くのGEOに立ち寄った。
何となくレンタル商品の棚を眺めていたら、そのCDが陳列されていたのだ。


思えばこれまではミスチルのCDを「購入」していた。
このサブスクリプション全盛の時代、ディスクをプレイヤーに入れて聴く事もなくなっていたためCD自体が縁遠いものになっていたが、配信やレンタルが開始されるまではタイムラグがあるため、ミスチルに関しては発売日に購入していたのだ。
今回は「気付いたらレンタルが開始されていた状態」だったので、上述のアルバムを借りてみた。
店舗で借りるという行為自体が久しぶりだったので少々驚いたが、レンタルの会計までもがセルフレジになっていた。
映画のDVDにR-18作品を紛れ込ませてレジに持って行っていた時代が懐かしい。
当時の自分に「セルフの時代が到来するからサンドイッチは不要になる」ということを教えてやりたい。
「しかしながら、その頃にはDVDを借りるという行為も衰退の一途を辿っている」ということも言い添えることにはなるのだが。


その日の夜、会社にて。
仕事も片付いたので仕事用のPCでCD音源をスマホに移す。
結局、物理的なディスクを使うのはこの1回だけなんだよなぁ、などと心の中でブツブツとつぶやきながら。

無事スマホに引っ越してきたアルバムを帰りの地下鉄に揺られながら再生する。
言語化するのが難しいが、何かが戻って来たような感覚に襲われる。
真剣に集中して音楽を聴くことが久しぶりだったのだろう。
全ての音という音が刺さる。
ヨドバシでアンテナを買い替えるのも、まだ先で良い気がしてきた。

全体的に良作であり新鮮であり面白かったが、僕の素人楽曲解説など、ここに書く必要はないだろう。
その辺はどこかのレビューサイトにでも譲るとして、1曲だけ、ここに公式のリンクを載せようと思う。

Fifty's map 〜おとなの地図

前述の過去記事には「くるみ」のリンクを記載したが、その曲にとても縁の深い曲だ。
なぜなら、この曲のMVには「くるみ」のMVが使われている。
何を言っているのか分からないと思うが…まぁ興味を持たれた方は観て欲しい。
構造が面白かった。
アスペクト比が当時同様4:3なところにも感心する。

出来れば、先に「くるみ」のMVを観てから、という順番をお勧めする。
20年前にリリースされた「くるみ」で当時感傷に浸り、紆余曲折ありつつも四十を過ぎた僕の心には、「Fifty's -」は随分とみる楽曲だった。


「Fifty's -」を聴いて何となく元気が出たこともあり、寄り道もせず真っすぐに帰宅する。
娘を風呂に入れていると、とりとめのない謎のエピソードトークを展開しながら、彼女は異様な程ニコニコと笑っている。
我が娘であっても、異様な程ニコニコしていると、それはそれで奇妙に思えてくるものだ。

単刀直入に娘に訊く。
「なんでそんなにニコニコしてるの?」
娘の返答にハッとさせられる。
「パパがニコニコしてると嬉しいから!」

謎エピソードを、僕はニコニコしながら聞いていたようだ。

近頃、眉間にシワを寄せている場面が多いことは何となく自覚していた。
必要なこととはいえ、「早く食べなさい、寝なさい、片付けなさい」等々、叱ることも最近多かったなぁ、と少し反省した。


娘の寝かしつけが終わって晩酌をしながら、流れでミスチルの他の楽曲も久々に聴き始める。
何のイタズラか分からないが、ミスチルのフォルダをシャッフル再生していると「PADDLE」がイヤホンから流れてくる。

良い事があってこその笑顔じゃなくて
笑顔でいりゃ 良いことあると思えたら
それが良いことの 序章です

詞・曲:桜井和寿/「PADDLE」
(2004年のアルバム「シフクノオト」収録)
より引用



「笑顔は大切です!」「幸せになりましょう!」というような記事を作るのも読むのも趣味ではないので多くは書かないが、『そういうことなんだな、結局』と思った、とある一日だった。

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