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シルバニアについて思うこと(クリスマス2024)

すっかりとサボり癖がついてしまい、気づけば最後の記事を書いてから3か月が経っていた。
「なかなかに忙しかったので仕方ない」と言い訳でもしようかと思ったが、コンスタントに記事を書いていた時期だって暇だったわけではないので、やはりこれはサボり癖と言って差し支えないだろう。

さすがに年内にもう1本くらいはと思っていたところに、都合の良いイベントが到来する。
過去にも何本か書いているが、娘がまだ4歳と幼いこともあり、日本でこれが廃止にならない限り、書く内容には困らない。

クリスマス。
赤服の高齢者が無断で家屋に侵入し、物品を置いていく例のイベントである。
我が家には煙突の類はないので、おそらく合鍵でも持っているのだろう。
恐ろしいことこの上ない。



お子さんがいる家庭では「あるある」な光景かもしれないが、ご多分に漏れず我が家でもこの時期、およそ聖夜に近づいている時期とは思えないような無慈悲な言葉が飛び交っている。

「ダラダラご飯食べてるとサンタさん来ないよ!」
「早く寝ないならサンタさんに『プレゼントはいりません』って連絡するよ!」
「サンタさんは良い子のところにしか来ないんだから、分かってるね?嘘つくってことはそういうことだからね?」

ひどい言われようである。
何でもかんでもサンタクロース氏の名を使って脅迫しているようなものだ。
とはいえ一定の効果は生み出しているので、まぁこれも致し方ない。
サンタクロース氏からすれば営業妨害、名誉棄損等いろいろと言いたくなるような有様だろうが、でかい袋に入れて持ってくるプレゼントの購入時に僕のクレジットカードを使うという謎システムを運用している以上、ここは目を瞑って頂くことにする。
いつまで彼の名前を利用できるのかは分からないところではあるが。

さて、最近の娘はといえば、「シルバニアファミリー」に興味津々だ。
どうやら保育園で友達から情報を仕入れているようで、「わたし、シルバニアのウサギ!」などと甲高い声を出しながら、手で操っているのは数年前にサンタ氏から贈呈されたアンパンマン、というカオスな遊びにはまっている。

妻とも「今年はシルバニアか」ということで意見が一致した。
シルバニアファミリーはエポック社から発売されている動物の人形だ。
彼らが住む家や車、様々な形で商品を展開している。
1985年のデビューとのことなので、僕より3歳後輩ということになる。

自分の幼少期、玩具店にディスプレイされた彼らを夢中で見ていた記憶はあるが、さすがにこの30年程度は見る機会もなかったので、調査のため専門店に向かうことにした。
「サンタさんに頼むやつ、パパも見てみたい」という、もっともらしいがよくよく考えると意味不明な理由をでっちあげ、娘とともに入店。

思っていた3倍くらいの価格設定に少々面食らったが、現物を目の前にするとクオリティの高さは一目瞭然。
オッサンである僕から見ても、これは可愛い。
そしてオッサン心をくすぐる、ドールハウスの完成度。
スムーズに開閉する可動部、細部まで計算しつくされた構造と加工精度。
さすが日本のおもちゃメーカー、エポック社。
老若男女問わず、海外にまでファン層が広がっていることにも納得がいく。

娘はいわばスターターキットのような役割を持つ「はじめてのシルバニアファミリー」(定価4,800円 税込)に目をつけていたようだが、完成度に心を奪われた僕は「赤い屋根の大きなお家 -屋根裏はひみつのお部屋-」(定価9,999円 税込)を勧めることにした。
「どうせなら大きい方が、お人形が沢山住めるんじゃない?」などと言いながら。
どうやら、シルバニアの値札を眺めているうちに金銭感覚がおかしくなってきたようだ。
既視感を覚えよくよく考えると、C県U市のDリゾートで誰もが経験する、例の感覚と酷似している。
「クッキーのパッケージ缶にこんなに可愛い〇ッキー〇ウスがプリントされてるんだから、2,000円は妥当だろうな」によく似た、「この間取りで5,000円だろ?あと5,000円足してこの平米数になるならむしろお得なのでは?」などというヤバい思想を持ち始めていたので、この分析は間違いないだろう。

こいつら7体を転売したらいくら儲かるのだろう、などと考えてはいけない。
決して。

いろいろ調べていくうちに、販売店によって付属品(主に人形)が異なるギフトパッケージが存在するということが判明。
結果的にトイザらスで仕入れるよう、妻と話し合…いや、サンタクロースにむけてモールス信号を打った。


我々夫婦の気づかぬうちに、サンタ氏へのオーダーをしれっと書いていた。
「しルバニア」と書かれているようだ
右上の小窓の3匹、右下の家具一式が同梱されたトイザらス限定お買い得セット
500mLペットボトルと比較すると一目瞭然のデカいパッケージ


パッケージの写真には様々な家具に囲まれた無数の動物たちが楽しそうに暮らす様子が写し出されている。…のだが、「撮影用の小物であり商品には含まれない」という狡猾こうかつな手口子どもたちの個性を何よりも大切にし、それぞれが思う理想の家族を作れるよう考え抜かれたメーカー様による御配慮も判明したため、実家に住む老夫婦には人形セットを仕入れるよう依頼した。
彼らにはかつてサンタクロースと繋がりを持っていた疑惑があるため、入手することなど容易いであろう。

人口密度低めな「大きな家」である程度遊んで満足した数日後、入居者が増えるというストーリーだ。

とにもかくにも、今年も無事プレゼントを用意することができた。
そして「どうせ子供向けの人形だろ」と思っていたオッサンが実物を目にして心を撃ち抜かれ、動物たちに人生を翻弄され始める瞬間でもあった。

動物たちに侵略され、気づいた時にはシルバニア破産している、という地獄を見ない程度には節度を持ち、動物たちの領地拡大に貢献することとする。


日付が変わり12/25を迎えた30分後、娘の枕元に巨大な箱、その横には妻用のリンツのチョコレートを配置、サンタクロース氏から請け負った業務を完遂した。
5時間後、早朝にもかかわらず憧れのマイホームに夢中になる娘の姿がそこにはあった。

恐るべし、シルバニアファミリー。
メリークリスマス。

朝6時とは思えないほどに覚醒している娘


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