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不登校・引きこもり児の姉だった私ー不登校児の兄弟も、トラウマになるくらいつらいー

実は、私の妹が小学生の時、不登校の時期があった。

その後、妹は大学生でも休学、引きこもりの時期があった。のちに、心の病気の病名がついた。

妹が小学生の時には、私は中学生。
妹が大学生の時は、私は大学生〜社会人で、東京に出て暮らしていた。

同居の時期も別居の時期もあるものの、妹のしんどい時期を同じ家族として過ごしていたから、子どもの不登校や引きこもりが親に与えるしんどさは、しっかり伝わってきていた。

私の母親は、おそらく私には負担かけまいと思っていたので、そこまでつらさをダイレクトに出してくることはなかった。

でも、医者に薬をもらっていると言っていたし、ご飯が食べられないと言っており、実際その通り、その時期はすごく痩せていっていた。

そんな母親の姿を見て、姉の私は、自分の悩みは親に言えなかった。逆に、私は1人で大丈夫だと、強い自分を見せていた。

私は大学を卒業して割とすぐ結婚したのだが、妹はその時まだ精神的に不安定で、結婚式に呼ぶのも、その場にずっといられるかわからず、不安だった。

後日、結婚式の写真を見ると、妹が全然笑っていなくて、やっぱりな…って思ったことを思い出す。その結婚式のときの家族写真は、どこかに行ってしまった。

別居していても、夜中に妹がメールを送ってきていたのを思い出す。内容は、キツイので書けない。

私も真っ直ぐだったから、「そんなんじゃダメだよ。お母さんが困ってるよ。いいかげんにしなよ。」って、姉として妹をなんとかしなければと、真夜中にヤキモキしながら返信していた。

でも、私がストレートに言葉を投げつけることで、実家の母への当たりが強くならないか心配もしていた。

大学を休学して引きこもっている妹は、親がいなくなったらどうなるんだろう。私が面倒見ないといけないんだろうか。そんなことも考えていた。

面倒みれないから、自分でなんとかしてね、施設に入ってね…突き放すことはできるが、家族は、そんな簡単にいかないのを知っている。

いま思い出しても、あの時の不安な感じ、怖い感じが、蘇ってくる。

親には、そんな私の不安は出さなかった。
ただでさえ大変な親に、私の負担まで背負わせてはいけないと、無意識に思っていた。

親は、私の生活に集中して楽しんでくれればいいと言う。でも、心配せずにいられるわけがない。姉として、どこまで口出ししていいか悩んでいた。

私が親になったある日。
母は、妹の不登校の時に、学校にちゃんと対応してもらえず、教育委員会まで訴えに行ったと話してくれた。

だから、あなたも子どもが不登校等の問題があった時、学校がダメなら教育委員会まで行きなさいとメッセージをくれた。

息子が不登校になりかけた時、私の頭に浮かんだのは、妹のことに悩まされて母の大変そうだった姿。そうなりたくない、と思った。

だから、息子の不登校を全力で阻止したかった。

今は、「不登校でも大丈夫」なんていう声も大きい。でも、親や兄弟にとって「不登校は、大丈夫じゃない」。本人も家族も、ものすごくつらいのだと知っていた。

だから、「不登校でも良いんじゃないんですか?」と言われた時に、すごく苦しかった。



どうか、不登校の子を持つ保護者の方にお願いしたい。

不登校児の兄弟姉妹の心も、どうかしっかりみてあげてほしい。

もしその時が無理だったなら、その後に。

不登校の子どもを持ってみてわかる。
渦中はその子に必死で、他の子に向ける気持ちが少なくなる。それは、仕方がない。

子どももちゃんと、わかってる。

だから、色んなことが、少し落ち着いてからでもいい。何年後、何十年後でもいい。

親が不登校児の対応に必死になっている裏で、「自分は大丈夫。」と自分で自分に言い聞かせて、

寂しいも助けても言えずに踏ん張っている兄弟がいたことに気づいて欲しい。

もしかしたら本人も気づいていないけれど、結構しんどさを抱えている(私は今になって気づいている)。


息子が不登校になった時、「不登校児の母」の先輩である母親に相談したかったけれど、できなかった。優しい母は、孫のためにも、ものすごく悩んでくれる人だと知っているから。

やっと長い子育てを終えた母に、また同じ心配をかけたくなかった。

私はもう大人になったから、当時の寂しかった想い、傷ついた心は、自分で癒すことができる。

子どものことも、自分でなんとかする。
そう思ってる。

こうして書いていると心がチクチク痛むので、まだ、完全には癒えていないんだなぁと思うけれど。

でも。

子どもが自分で自分の心をなんとかするのは難しいから…。

今、不登校の子がいらっしゃるお母さんがいたら。

その兄弟姉妹の気持ちにも、気づいてあげて欲しい。

優しく包んであげてほしい。

不登校児の姉だった私からの、お願いです。

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