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7つの習慣が目指すところ 依存→自立への成長…さらにその先へ【7つの習慣②】
『7つの習慣』が、どんな風に書かれた本なのか
という話を前回しました。
一言で言えば
『7つの習慣』は著者が考えたテクニック集…ではなく
アメリカ建国以来200年分の文献を調査した上で整理した
「永続的な幸福・成功」のための「原則」を体系づけた本である。
という事でした。
今日は、この『7つの習慣』が目指すところについて
お話していきたいと思います。
…
成長の連続体
なんだか不思議な図ですが
ここに7つの習慣が全て書かれています。
7つの習慣が目指しているのは
依存→自立→相互依存
と成長していくことです。
人間は全員100%依存の状態からスタートします。
赤ん坊の時は、自分1人では生きられないからです。
これが100%依存の状態です。
そこから段々と成長し
肉体、知性、感情、経済的に
自立に近づいていきます。
そしてさらに、人間の社会を含めた自然界が
すべて相互に関係しあって成り立っていることに
気づきます。=相互依存です。
社会の中で成功したいと思えば
この相互依存の状態に自分をもっていかなければ
ならないわけです。
相互依存…という言葉からは
自分だけでは生きられない人たちが
お互いにもたれかかっているような
少し不健全なイメージをもつかもしれません
しかし、ここでいう相互依存は違います。
自立よりも、更に成熟した状態です
相互依存は、自立した人間になって初めて選択できる段階である。依存状態からいきなり相互依存の段階に達しようとしても無理である。
Kindle位置No.1260
自立を達成していない依存状態の人は、
7つの習慣で言うところの
『相互依存』の状態にはなれません。
言葉のイメージに引きずられないようにしましょう。
段階的に成長していくしかありません。
…
7つの習慣の中では
まず、第1~第3の習慣までで
私的成功…すなわち、自分1人の成功を修めて
依存→自立の状態へと成長します。
自立を達成し、相互依存の土台を築いた上で
第4~第6の習慣を身に着け
公的成功を築いていくことになります。
さらに、1度成功して終わり…というわけではなく
第1~第6の習慣をアップグレードし続けるために
第7の習慣、最新再生の習慣があります。
成長の連続体の図を再掲します
1~3で「依存→自立」
4~6で「自立→相互依存」
7が全体を囲む
という絵になっているのが分かると思います。
ただし、
1~3が完璧でないと
4~6に取り組めない
…というわけではありません。
第1、第2、第3の習慣を完璧に身につけなければ、第4、第5、第6の習慣に取り組めないわけではない。順序がわかっていれば、自分なりに効果的に成長することができるのであり、なにも第1、第2、第3の習慣を完璧にするまで何年も山にこもって修行しなさいと言っているのではない。
Kindle位置No.1270
完璧にならずとも、取り組んで良いわけです。
実際、第4~6の習慣は
日頃、人と関わっていく中で
非常に大事な習慣になっていきますので
早い段階で知っておいた方が良いと
私自身も思います。
…
この本を読むときの心構え
マリリン・ファーガソン(訳注:米国の社会心理学者)の次の言葉がすべてを言い表していると思う。「説得されても人は変わるものではない。誰もが変化の扉を固くガードしており、それは内側からしか開けられない。説得によっても、感情に訴えても、他人の扉を外から開けることはできない」
Kindle位置No.1459
この本は、人を変える本です。
ですが「自分で変わる」と決めた人にしか効果はありません。
他人からの説得には意味は無いんです。
残念ながら、自ら変わりたいと思わない人には
この本の効果は無い、ということです。
コヴィー氏は、この本の第一部の最後で
こう呼びかけています。
「7つの習慣」を学ぶとき、あなたの変化と成長の扉をぜひ開けてほしい。忍耐強く取り組んでほしい。自分を成長させるのは平たんな道のりではないが、それは至高に通じる道である。これに優る投資が他にあるだろうか。
これは明らかに応急処置ではない。だが、必ず成果を実感でき、日々励みになるような成果をも見ることができる。ここでトーマス・ペイン(訳注:米国の社会哲学・政治哲学者)の言葉を引用しよう。「なんなく手に入るものに人は価値を感じない。あらゆるものの価値は愛着がもたらすものなのだ。ものの適切な対価は、誰にもつけられないのだ」
Kindle位置No.1482
自らで「変化と成長の扉」を開けて欲しい
平たんではないし、応急処置でもないが
日々、成果は実感できるものである
…
私としても、この本を読んで
自立、そして相互依存への道を
歩む人が、一人でも増えたらいいな…と
そう思っています。
…
まとめ
7つの習慣は
第1~第3の習慣で、依存→自立へ
第4~第6の習慣で、自立→相互依存へ
第7の習慣で、第1~第6の習慣の継続的なアップデートを目指す
という構成になっている。
自ら「変化の扉」を開けない限り、変わることはできない。
この本の効果は、自ら意志する人にしか得ることはできない。