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いじめは”寄生虫”によって起きている⁉【いじめの構造】
こんにちは、らるです。
今日はいじめについて、ちょっと
変わった視点からお話しします。
(今回の話はこちらの本を参考にしています)
実は、いじめという現象が、
寄生虫の行動に似ているとしたら、
驚きませんか?
まずは、寄生虫の例を挙げてみましょう。
イギリスの動物行動学者
リチャード・ドーキンスは、
その著書『延長された表現型』で、
「寄生虫が寄主の行動を操作する」
例を紹介しています。
たとえば、リューコクロリディウム属の吸虫です。
この寄生虫はカタツムリに寄生すると、
カタツムリの行動を変えてしまいます。
カタツムリは本来暗いところを
好む性質があるのですが
これが変わり、
光を求めて動き回るようになります。
その結果、鳥に見つかりやすくなり、
カタツムリは食べられてしまいます。
吸虫はこうして鳥に移動し、
最終寄主へたどり着くのです。
つまり、カタツムリは
寄生虫が鳥に移動するために
操られ、利用されてしまう…
というわけです。
寄生された生物は、
自分の意志ではなく、
寄生虫の意志で動いてしまうのです。
ここで本題に戻ります。
いじめの背後にも、
この「寄生虫的な構造」が
あるのではないか、という話です。
実際にNHKスペシャル「いじめ」で、
女子中学生のインタビューが放送されました。
いじめに加担した理由について、
彼女はこう話しています。
【事例6・何かそれ、うつっちゃうんです】
「ひとりやったらできへんし、友だちがいっぱいおったりしたら、全然こわいもんないから。何かこころもち気が強くなるっていうか、人数が多いってことは、安心する、みたいなんで。一回いじめたら、止められないっていうか。何か暴走してしまうっていうかな」 「友だちに『あのひと嫌い』って言われると、何かそれ、うつっちゃうんですよ」 (NHKスペシャル「いじめ」いじめの加害者である生徒のインタビューより、一九九五年一〇月一日放映)
「友だちがいっぱいおったら、
全然こわいもんないから。
一回いじめたら、止められないっていうか。
何かそれ、うつっちゃうんですよ。」
この「何かそれ」が、
まさに社会という寄生虫の正体です。
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集団の空気、友だちの発言、安心感などが、
個人の内的モードを変化させ、
行動をコントロールしてしまうのです。
これを寄生虫の事例と重ねてみると、
とても似ています。
寄生虫がカタツムリを操作するように、
集団の情報が人間を操作し、
普段の自分では考えられないような行動を
取らせてしまうわけです。
この構造を知ることで、
私たちは自分たちが
「寄生されている」ことに気づき、
その影響から脱する努力が
できるかもしれません。
この「社会」が自分に「寄生」する
というのは、いじめに限らず
起こり得ることだと感じます。
自分が何かに「寄生」されていないか
一度見直してみてもいいのかもしれません。
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