【STOP廃業】生命保険会社からお金を借りられる「契約者貸付」制度 ~審査なし、保証人不要、返済期日なし
●資金がショートしてピンチに陥ったときに
緊急事態宣言による外出自粛、外国人観光客の激減などで、街の飲食業が未曽有の危機的状況に陥っていることがマスコミで伝えられています。また、ほかの業種でも倒産・廃業・活動規模の縮小などの落潮が始まっており、職を失い、貯金を崩す生活に陥ってしまっている個人も出始めています。
政府が一律10万円などの各種支援策を打ち出しているものの、役所に申請が殺到しており、実際の支給までにはかなり時間が掛かりそうな状況です。
今回は、手持ちのお金が不足してピンチに陥ったときに、自分が加入している保険会社から低い金利でお金を借りられる制度「契約者貸付制度」があるという話です。これは、審査なし、保証人不要、返済期日なし、用途制限なしというものです。
●「契約者貸付」を使える保険・使えない保険
最初に断っておきますが、一般に「契約者貸付制度」は貯蓄性のある保険(終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険など)に加入している場合に利用できます。掛け捨てタイプの医療保険などでは利用できません。
●比較の為にカードキャッシングによる利息のおさらい
一般に、お金を借りる方法としては、クレジットカードによるキャッシングがよく使われる方法です。何十万円借りても、リボルビング払い(以下、リボ払い)にすれば毎月一定額、例えば1万円ずつ返すということができますので、どんなに借金をしても毎月苦しくないやと気軽に考えがちです。
しかし、一般にカードキャッシングは利息が18%と高く設定されており、借りすぎてしまうと、返しても、返してもいつまでたっても返済が終わらないということになります。多重債務に陥る最も典型的なパターンです。
具体的に、楽天カードでキャッシングした場合の利息額を調べてみましょう。
●20万円借りて月1万円ずつリボ払いで返す場合
利息3万1,058円。20万円を手にするために23万1,058円を渡すことになります。
●50万円借りて月1万円ずつリボ払いで返す場合
利息18万8,604円。50万円を手にするために68万8,604円を渡すことになります。
●90万円借りて月2万円ずつリボ払いで返す場合
利息30万6,225円。90万円を手にするために120万6,225円を渡すことになります。
※楽天カードの規約で50万円超~100万円以下の場合は、最低月2万円+利息を返さないといけないので、この事例では返済額を2万円に設定。
以上のシミュレーションは楽天サイトの「キャッシング返済シミュレーション」を使用しています。
[PC版]
[スマホ版]
各社このような返済シミュレーションサイトがあります。電話をかけても丁寧に教えてくれます。
各社とも、より利益が出せるカードキャッシング+リボ払いに消費者を誘導するような傾向があります。リボルビング払いにしてもらえれば、より長い期間、高い利息(18%)でお金を貸すことができるからです。
●保険会社からお金を借りられる「契約者貸付」とは
さて、ここから本題。
もし、あなたが貯蓄性のある保険に加入していれば、保険会社から低い金利でお金を借りることができます。「契約者貸付制度」といって、あなたがこれまでに支払ってきた保険料を担保にして金利2~8%※でお金を貸してくれる制度です。
※ただし、複利なので、ずっと借りっぱなしにしていると利子が膨れます。
お金が必要だからといって保険を解約した場合、契約に基づいて「解約返戻金」が返金されるのですが、それは今まで自分が払い込んだ総額の何割かでしかありません。保険の保障も失い、金銭的にも損をします。保険会社も契約者を失い損をします。
このように互いに損をするのなら、「解約返戻金」の一定範囲内(7~9割)でお金を貸しましょうということでできた制度が「契約者貸付制度」です。保険の保障もそのまま受けられ、配当金を受け取る権利も継続します。
なお、この制度は、保険の契約者本人だけが利用できます。保険を掛けられているだけの人や、保険金の受取人に指定されているだけの人は利用できません。
参考ですが、住友生命サイトの「契約者貸付」ページはこんな感じです。
住友生命の場合、ネットから申し込みできますし「スミセイDSカード」などを使うと街のATMでお金を出し入れできます(消費者金融カードよりいいんじゃないかな)。
●「契約者貸付」の特長
もともと、満期に自分や遺族に支払われるべきお金を一時拝借しているようなものなので、契約者貸付には、審査がありません。保証人も不要です。契約者貸付の利用状況が信用情報機関に登録されることはないため、信用情報にも傷がつきません。
返済期日はなく、その全額または一部をいつでも返済できます。しかも、何度でも借りられます。用途制限もありません。
●「契約者貸付」の注意点
先に書いたように利息が単利計算ではなく、複利計算になっていますので長期間返済しないと借入金が膨らみます。「複利計算」をしてくれるサイトがあるので、こちらでシミュレーションをしてみるとよいと思います。
[複利計算]
期日がないからといって、いつまでも借りていると、雪だるま式に借金が膨らみます。一時的な資金繰りと認識して使うべきものだと思います。
もし、利息の増加によって借入額が「解約返戻金」の額を超えてしまったら、保険の継続は不可能になります。再度、同じ保険に新しく入るには加入時の年齢に応じて高い保険料を払わなくてはならなくなりますので、注意してください。
未返済のまま満期を迎えたり、保険金が受け取れることになった場合は、保険金から、その元金と利息が差し引かれて支払われます。
なお、「契約者貸付」は、各社独自の運用があるかもしれないので、利用する際にはよく確認してください。
一人でも多くの人の命を守る活動を続けたいと思っています。