平成31年(2019年)度東京都登録販売者試験 試験問題(午前)その2 問6-10
引き続き、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^
問6
(問題)
医薬品の使用等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 適正な使用がなされる限りは安全かつ有効な医薬品であっても、乱用された場合には薬物依存を生じることがある。
b 疾病の根本的な治療等がなされないまま、一般用医薬品を使用して症状を一時的に緩和する対処を漫然と続けていても、有害事象を招く危険性が増すことはない。
c 医薬品の販売等に従事する専門家は、必要以上の大量購入や頻回購入を試みる者に対し、積極的に事情を尋ねることなどの対応を図ることが望ましい。
a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 誤 誤 誤
4 正 誤 正
5 誤 正 正
(答え)4
a〇 薬物乱用や習慣性は問題なので、大事ですよね。
b× これは少しニュアンスが違うかなと思いますね。一般用医薬品の定義は、軽症で治すことを目的として、治らなく長期にわたるときには受信勧告が必要かなと思います。あくまで有害事象よりかは治らなければ他の治療法を試したり、一般薬であれば受診を進めることが目的なので少し違うかなと思います。
c〇 これは、一部の習慣性の薬(ここでは名称は書きませんが・・・)を言っています。ネットで調べれば出てきますが、習慣性のある薬剤を大量購入して一時の快楽を得る方がいらっしゃるのでそういった意味でも規制したいですよね。
問7
(問題)
医薬品等の相互作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 相互作用を回避するには、通常、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならない。
b 外用薬や注射薬は、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性はない。
c 酒類(アルコール)は、医薬品の代謝には影響を与えることはないが、吸収に影響を与えることがある。
d カフェインのように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それを含む医薬品(例:総合感冒薬)と食品(例:コーヒー)を一緒に摂取すると過剰摂取となるものがある。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)
(答え)3
a〇 これは同時に服用しなくても体の中にしばらく薬が残っていることがあるのでそういった意味でも休薬期間(一般的には2週間程度(ウォッシュアウトともいわれます))が大事と言われています。
b× 薬なので投与経路(経口・注射・外用等投与)に関係なく、影響は同じく受けます。
c× いかにも×な感じですよね。考え方としては、お酒を飲めば血流がよくなるので、薬の効きは良くなってしまいます。そういった意味でも九州は良くなるだろうし、肝臓でアルコールは分解されるので、肝臓にどんどん薬の成分が混ざった血液が送られるので、アルコールの分解もしなくてはいけないので、薬の分解はしづらくなりますよね。
d〇 このまんまですよねー。ちなみにカフェインは、胃の負担が起こりますし、吐き気や心臓への負担(動悸など)などもあることを知っておくと実務でも役立つかもしれませんね。お茶・コーヒーなど嗜好品を普段から確認しながら販売するといいですよね。
問8
(問題)
小児等への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合がある。
b 一般に乳幼児は、容態が変化した場合に、自分の体調を適切に伝えることが難しいため、医薬品を使用した後は、保護者等が乳幼児の状態をよく観察することが重要である。
c 医薬品の使用上の注意において、おおよその目安として、乳児は1歳未満、幼児は5歳未満、小児は12歳未満との年齢区分が用いられている。
a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 正 正 正
4 誤 正 正
5 誤 誤 誤
(答え)1
a〇 一部の製品は大人向けなのもありますよね。子供だったら少なめにするとかあります。医療系だと、場合によって体重換算で量を調節することがあります。
例) ○○薬品 10㎎/kg/1日量 → 体重20㎏の人の場合、200㎎/ 1日量
これを一日何回かに指示通り分けて飲んでもらいます。
b〇 これは大事ですよね。飲んでどのぐらいの時間で何が起こったかは報告いただくとあとの処置が変わることがあります。仮に、病院にかかる場合、この情報のあるなしで対応が変わることがあります。緊急性の判断にも使われます。
例えば、(ちょっと問題からずれると思いますが・・・)薬を飲んですぐに戻してしまった場合、再び飲ませるか飲ませないかなどの判断にもなりますよね。(こういう問い合わせは難しいので出来たら受けたくないなと思うことがありますが(笑))
c× こういう問題は、頻出なので覚えないと駄目ですよね。正直、僕はこういった数字を覚えるのは得意ではないので、乳児は1歳未満(生まれて1年?)、幼児は、7歳未満(幼稚園卒業ぐらい?)、小児は15歳未満(中学生まで?)みたいな感覚で覚えています(笑) 乳児の時期は結構大事で、乳児ははちみつを食べさせてはいけない(アナフィラキシーが出やすい)、アレルギーは乳児を超えてから出やすいなどいろいろ関係するのでイメージを軽く持っておいてもいいと思います^^
問9
(問題)
小児等への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 乳児向けの用法用量が設定されている一般用医薬品であれば、乳児への使用の適否が見極めやすいので、医師による診療よりもこのような一般用医薬品の使用が優先される。
b 医薬品が喉につかえると、大事に至らなくても咳(せき)込んで吐き出し、苦しむことになり、その体験から乳幼児に医薬品の服用に対する拒否意識を生じさせることがある。
c 小児の誤飲・誤用事故防止には、家庭内において、小児が容易に手に取れる場所や、小児の目につく場所に医薬品を置かないようにすることが重要である。
a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 正 正
(答え)5
a× 医師の治療にまさるものはないでしょう(笑)さすがに無茶ですよね・・・。あくまで軽症ある場合で、セルフメディケーションができそうな場合は一般医薬品は使っていいけど、だめそうなら早めに受診が基本ですよね。
b〇 子供は味がおいしくなかったり、嫌な経験をすると覚えて拒否反応をすものです。そういった体験をしなくて済むように、飲みにくい薬に対して、どうやってうまく飲んでもらうかや味付けを変えるかなど幅広い提供ができれば一ランクアップの補助ができますよね~。経験と情報収集、実地がカギですよね。
c〇 これはかなり大事です。子供はなんでも手に取って口に入れることがあります。大人用の薬も普段から飲んでいるのを見ていれば自分も口に入れられると思ってしまうので、普段から軽く取れるところに置かないことが大事です。よく液体の製剤でチャイルドロック機能がついている蓋があります。押しながらひねらないと開かない蓋があるので興味があれば見てみてください。
問10
(問題)
高齢者の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として65歳以上を「高齢者」としている。
b 医薬品の取り違えや飲み忘れを起こしやすいなどの傾向があり、家族等の理解や協力も含めた配慮が重要となることがある。
c 年齢からどの程度リスクが増大しているかを判断することが容易であるため、年齢のみに着目して情報提供や相談対応することが重要である。
d 一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、特に、肝臓や腎臓の機能が低下していると医薬品の作用が強く現れやすく、若年時と比べて副作用を生じるリスクが高くなる。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
(答え)3
a〇 今なら年金がもらえる年齢ぐらいで覚えれば覚えやすいかなと思います。
b〇 よく薬を飲んだ飲まないでトラブルになることがあります。一番怖いのは、服用しているので飲んでいないと思って、再度服用することです。お分かりの通り、倍量服用になるので薬によってはかなり危険です^^;
認知症を患っている方であればなおさらですよね。その際には、ご家族の協力が欠かせません。
c× 年齢のみで判断できたら逆にすごいですよね・・・。年齢以外にも症状や嗜好品、生活パターンなどの日常生活等を踏まえてリスクを考えます。年齢だけで判断で来たら楽な仕事ですよね。現場に立たれている方はわかると思いますが、様々なシチュエーションに対して答えなくてはいけないのでかなり頭使うと思います^^;
d〇 この通りです。そのため小児や高齢者は薬の量を考えなくてはいけません。特に注意していただきたいのは、相談者で肝臓疾患(肝炎など)や腎臓疾患(腎症や透析など)がある場合、代謝機能が落ちるので正常な状態よりも効きすぎます。そのため薬剤量をどのぐらい減らすかを実際は考えます。一般薬の場合には注意書きに書かれているので、読んでから対応になりますが、用量設定されていないものは薬剤師に相談か受診勧告になりますよね。
とりあえず答えを見ながら、わかりやすい解説を意識して書くようにしていますが、何かこうしたほうがいいなどアドバイスがあれば教えてください。