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平成31年(2019年)度東京都登録販売者試験 試験問題(午前)その3 問11-15

引き続き、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

問11

(問題)
 妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品の種類によっては、授乳婦が使用した医薬品の成分の一部が乳汁中に移行することが知られており、母乳を介して乳児が医薬品の成分を摂取することになる場合がある。
b 一般用医薬品においては、多くの場合、妊婦が使用した際における安全性に関する評価が確立されているため、妊婦の使用の可否について、添付文書等に明示されている。
c ビタミンAを含有する医薬品は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると、胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。
d 妊娠の有無やその可能性については、購入者側にとって他人に知られたくない場合もあることから、一般用医薬品の販売等において専門家が情報提供や相談対応を行う際には、十分配慮することが必要である。
 a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 正

(答え)2
a〇 このままの通りですね。これ以外にも、妊娠中、薬物が胎盤から胎児に入ることもあるので覚えておくといいですよね。アルコールやたばこももちろん妊娠中に悪いというのと同じことです。
b× 実際、評価をすることが難しいので使用可を書くことが難しいのです。動物実験のデータをもとに判断をしますが、それでも100%いいということも言えないのが現状です。
c〇 これはよく言われるので覚えておくといいと思います。脂溶性ビタミン(ビタミンADEK デカビタ脂(「DEKA Vita し」と覚えると忘れません))は体内に蓄積しやすいのと、aと同じく脂溶性のものは、胎盤から胎児へ入りやすいので胎児に影響を及ぼしやすいことを覚えておくといいと思います。
d〇 妊娠とかは様々な背景があると思いますので、配慮は大事かと思います。一般の病気も同様かと思います。どうしても現場にいると、配慮が足らないことやどの配慮が適切かは難しいと思いますが、相手の態度・判断を見ながら調節できるといいですね。

問12

 医療機関で治療を受けている人等の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 登録販売者は、医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人に対し、一般用医薬品との併用の可否について、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。
b 過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)という人に対して、購入しようとする一般用医薬品についての情報提供を行う場合には、どのような疾患にいつ頃かかっていたのかは、特に注意する必要はない。
c 生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の使用により、その症状が悪化することがある。
 a b c
1 正 誤 正
2 正 正 誤
3 正 誤 誤
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤

(答え)1
a〇 このとおりです。登録販売者が判断する権利を与えられてないのと薬は世の中にたくさんあるので判断できないかと思います。薬の箱にも「医師や薬剤師に相談」という文言があるので注意したほうがいいですね。
b× 薬物治療が終わっても一般的に二週間ぐらいは体内に残っている薬剤もあります。そのためこの二週間を「ウォッシュアウト」期間(完全に薬剤がなくなるまでの期間)と呼ばれています。既往歴や罹患歴は効いておいた方が後々大事になります。例えば、喘息疾患があった場合、アスピリン喘息かどうかなども聞いておいた方が痛み止めを勧められるかどうかの判断にもつながります。
c〇 この通りかと思います。例えば、心臓疾患のある方にカフェインを多くとると心臓に負担がかかることがあることが例になるかと思います。

問13

 プラセボ効果に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a プラセボ効果とは、医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをいう。
b プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応などが関与して生じると考えられている。
c プラセボ効果は、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)は関与していないと考えられている。
d プラセボ効果は、主観的な変化だけで、客観的に測定可能な変化として現れることはない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

(答え)1
a〇 プラセボは偽薬効果というものになるため、期待している薬効以外の作用を示しているということがわかりやすいかと思います。
b〇 この通りかと思います。例えば、薬を飲むことによって症状がよくなると思っている患者さんがいた場合、薬効のない薬などを飲むことによってあたかも効果を感じる方が多いです。だんだんとその依存とかをとってあげることも求められています。
c× プラセボであってもだんだんと効果が弱まるなど効果があると思います。薬と同じ考え方でいいと思います。
d× 痛みは直接的な数値化はできませんが、血圧や脈拍などは数値化できるので客観的なデータになることがあります。

問14 

(問題)医薬品の品質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 外箱等に記載されている使用期限は、開封状態で保管された場合でも品質が保持される期限である。
b 一般用医薬品は、購入後、すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。
c 一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、医薬品が保管・陳列される場所について、清潔性が保たれるとともに、医薬品が高温、多湿、直射日光等の下に置かれることのないように留意する必要がある。
 a b c
1 正 正 正
2 正 誤 誤
3 誤 正 誤
4 誤 正 正
5 正 誤 正

(答え)4
a× この話はよく出ます。使用期限はあくまで未開封時になるので注意が必要です。特に軟膏など相談を受けることがあるので注意しましょう。
b〇 薬は、症状がでているから購入するケースもあれば、症状が出た時用に購入される方もいると思います。例えば、頭痛薬、風邪薬、胃薬とかありますが、両方のケースがあると思いますので期限は十分あったほうがいいと思います。
c〇 この通りです。遮光は基本ですがそれ以外にも保管温度も気を付ける必要があります。日本薬局方という薬の辞典のようなものにも、保管温度設定があります。(参考までに、標準温度は 20℃,常温は 15~25℃,室温は 1~30℃、微温は 30~40℃とする.冷所は,別に規定するもののほか,1~15℃の場所とする。)

問15 

次の記述は、医薬品医療機器等法第4条第5項の条文である。( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一から三 (省略)
四 一般用医薬品 医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が ( a )ものであつて、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく( b )の選択により使用されることが目的とされているもの( ( c )を除く。)をいう。
  a     b     c
1 緩和な   販売者 要指導医薬品
2 著しくない 需要者 医療用医薬品
3 緩和な   販売者 医療用医薬品
4 著しくない 需要者 要指導医薬品
5 緩和な   需要者 要指導医薬品

(答え)4
a著しくない 
b需要者 
c要指導医薬品
ここでのポイントはいくつかあります。
需要者が選ぶところがまず最初のポイントになります。
あと、「要指導医薬品」と「医療用医薬品」もポイントになります。
医療用医薬品は、処方箋医薬品(処方箋によってしかもらうことができない薬剤)と非処方箋医薬品(処方箋がなくても購入することができる薬剤(ただし、一般的には行っていないことが多い))にわかれます。
要指導医薬品は、一般医薬品(医療用医薬品を除いたもの)のなかでも、第二類と第三類のみの販売になります。要指導医薬品は、薬剤師が対面で説明を行ったのち販売することができるものになります。
もちろん、登録販売者の場合、医療用医薬品・要指導医薬品両方とも販売はできません。

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