大手調剤薬局orドラッグストア どっちがお得???
・はじめに
先日、Yahoo!にて下記の記事が出ておりましたが見られましたでしょうか?
日本調剤とクオール 高齢化社会支える調剤薬局大手2社を比較【ライバル企業の生涯給与】
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/279938
いやー刺激的な題材ですよね。
金額だけ見るとクオールの方が生涯給与が高いのですが、はたしてそれだけなのでしょうか?その割に、推定資産が日本調剤の方が高い・・・。
すごい違和感バリバリですよね。
日本調剤は、特殊な会社なので、正直、記事だけ読んだ感じは、全然この通りにはいかないなと思いました。
なので個人的な意見として試しに調剤薬局とドラッグストアどっちがいいのというのも書いてみようかと思いました。
比較として、
規模・ライフワークバランス・給与・今後の展望
・大手調剤薬局
・規模
規模は、会社によるため、一概には言えません。ただし、上記の大手になると調剤薬局経営以外にも人材派遣なども行ったりして、組み合わさった収益構造になります。
例えば、日本調剤であれば、調剤薬局、医薬品製造販売業(製薬メーカー)、人材派遣・紹介業、データ解析業等多岐にわたり業務をしています。この背景として、調剤業務だけでは今後生き残れないため、各社様々な生き残りをかけて事業拡大をしています。
もちろん、店舗展開・事業拡大等をすればその分経費も掛かりますし、はじめにある程度お金がなければ始めることすらできませんので、どの会社も必死になり収益を上げるよう努力します。
・ライフワークバランス
これについては、いいとは思っていません。
理由として、おおむね、門前薬局が多く、ホストの病院に休みが依存してしまいます。医師会から休日当番を要請されれば、休日出勤も当たり前。土曜日の午前中営業していればもちろん開局。そうなると休みが自動的に減ることになります。土曜日半日開けていた場合、半休消化扱いになるため、週休二日で日曜日が休みの場合、2個休4半休(2半休で1個休扱い)ということもざらでした。
人手不足で休みも希望が通らなかったり、あまりいいとは言えません。
管理薬剤師になれば、シフト調整・クレーム処理・売上管理など多岐にわたる業務をするため、なかなか休まる暇はありません。
ただし、服薬指導の時にはリアクションがダイレクトにわかったり、お店を自分でハンドリングして手ごたえを感じれるので、そういった意味で面白い部分はあると思います。
・給与
給与は、初任給などはいいですが、将来的に上がるのかは疑問があります。この記事をみても、そういった部分の計算があいまいで正直どうやって障害年収を計算しているのか謎でしかありません。
特に、調剤薬局でも年収の頭打ちがあることは有名です。
終身雇用の時代は終わりを迎え、コロナを踏まえてもさらに厳しい時代が来るのは間違いありません。
そういった意味でも自分がnoteをやろうと思った理由として、こういった時代になったからこそ能力をつけて自分で稼げる人になってほしいと願いがあります。
・今後の展望
ここまで読んでいただいてわかっていただけると思いますが、自分はこの業界は明るいとは思っていません。
理由としていくつかあります。
薬剤師がたくさんいて固定費がかかる時代は終わりを迎えています。ほとんどの業務は機械化もしくは薬剤師以外の方でも代用できます。そうなったときに、薬剤師に高い賃金を払う必要性はありません。
厚生労働省も、店を減らす方向で調整しています。診療報酬も厳しくなり、服薬指導に付加価値を付けれない薬剤師は、加算が取れないので必然的にマーケットから追い出される可能性があります。もちろん、薬剤師自体も患者さんのニーズに応じたスキルアップをしていかない限り、来局いただけないと思います。
大手になると、本社を構えるので、固定費のかかり方が尋常ではありません。本社の人々、テナント料、機材費等かかりますが、この費用は現場の収益によって賄われるので、現場も厳しい要求を突き付けられます。
医療はサービス業という部分とはずれてしまいますが、給料をもらわなければ生活できないので、難しいところだといつも思います。
・大手ドラッグストア
・規模
ドラッグストアになると、調剤薬局と違い出店数や売上高も異なります。スギ薬局・ウエルシア、マツキヨなどドラッグストアと調剤薬局の併設、PB(private brand)商品による対応など様々な対応をしていることはご存じだと思います。一店舗当たりの薬剤師数も調剤に比べて少ない人数で対応できる部分は魅力的です。
・ライフワークバランス
調剤薬局に比べるのは少し難しいと思いますが、休みについてはお店のシフトによりますが、年中無休のドラッグストアがほとんどかと思いますので、年末年始も出勤というのもざらではありません。ただし、比較的休みをとれているとお聞きしています。お店やエリアマネージャーの対応等にもよるので一概には言えませんが・・・・。休みについては調剤もドラッグもお店の環境やエリアマネージャー等の影響をかなり受けます。
また、ドラッグストアは、一般雑貨も販売しているため、重たいものを持つ傾向にあります。かなり腰を痛めてしまう人も多いとお聞きしていますので、好みが分かれてしまうかもしれません。
また、調剤に比べて、多くの方がいらっしゃるので、一般従業員の管理や万引き等のチェック、ポップの対応など様々な業務を求められます。
・給与
賃金については調剤薬局よりはいいです。
調剤に依存をしていないため、一般雑貨で収益を上げ、ポイント付加し、他の商品で利用していただく。ビジネスモデルとしては一つの形として完成している分だけ、社員に給与としてバックしやすいのではないでしょうか。
・今後の展望
ドラッグストアは、どちらかというと一般の販売業に近いので、スーパーなどとも戦いが絶えないです。ドン・キホーテであったり、イオンなどであったり、ライバルと激戦は今後続くと想定されます。
個人的には、ドラッグストアやスーパー、調剤薬局どこも同じようになってきてしまうのではないかと思います。特異性を出し切れずに、同じような対応で平坦化するのではないかと思いますが、労働者にとっては、ますます厳しい時代が訪れると思います。
ネット販売もありますし、現地に行ってまで買う必要があるのかも謎です。
・最後に
こういった記事をみて毎回思うのですが、素人の方が見れば面白いのですが、業界の人が見ると案外謎が多いものです。
薬剤師などの師業が一般的に不況にも強く、給料が高いと言われて叩かれますが、そもそも大学の授業料や国家試験の通過、また現場においては、命を扱う責任を考えてから発言して欲しいものです。
しかも、初任給は一般に比べて多少は高いかもしれませんが、昇給率や生涯年収を比べると、一般企業と変わらないことも多々あります。それは、1店舗当たりの収益限界があるためです。そのためにも、出店や他のビジネスを構築できなければ収益は下がってくるため、昇給にももちろん反映します。
結果として、何を自分で取りたいかになるかなと思います。
土日休みがほしいか、有休を使えるところで働きたいか、働く分だけ給料をとるか、小さいところでお客さんの反応を見たいところで働きたいかなど様々あると思います。
今一度、こういった記事を見た時に、自分の立ち位置を確認して、足りないところは補ったり、違うと思えば移動するなど何かしらのアクションを起こすことが必要かと思います。
何かしら参考になれば幸いです。