平成31年(2019年)度東京都登録販売者試験 試験問題(午前)その9 問41-45

・はじめに

では、少しずつ過去問を解いていきましょう。
流れとして、
問題→解説→ワンポイント(現場で使えるような自分なりの考え方)
を入れて少しでも親しみやすくなれば幸いです。^^

問41 (薬事に関する法規と制度)

(問題)
次の記述は、医薬品医療機器等法第1条の条文である。( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び( a )のために必要な規制を行うとともに、( b )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の( c )のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
a b c
1 まん延の予防  指定薬物      適正使用の推進
2 拡大の防止   指定薬物      適正使用の推進
3 拡大の防止   麻薬及び向精神薬  適正使用の推進
4 まん延の予防  麻薬及び向精神薬  研究開発の促進
5 拡大の防止   指定薬物      研究開発の促進

(答え)5
a拡大の防止
b指定薬物
c研究開発の促進

答えとしてはその通りなのですが、これだけだと法律って苦痛でしかないので参考になる豆知識をいくつか書きたいと思います。
まず、法律の第一条ってどの法律もそうなのですが、目的が書かれています。道交法であったり労働基準法であったりしても同様です。
さて、薬機法のなかで、覚えていただきたい目的二つあります。
一つ目は、「拡大の防止」です。悪いとわかっているものを野放しにしておけば、何かあったときに国民の健康被害がどんどん広がってしまいます。そのためにも、規制という枠を設けなければなりません。
二つ目は、「研究開発の促進」です。規制ばかりしていたら、新薬や新医療機器などが出てきません。そのためにも必要な措置を講じるといった部分が必要になります。つまり、規制と開発の二面性がある法律と考えていただけると少しすっきりするのではないでしょうか?
最終的には国民の公衆衛生の向上を目的としていますので、イメージがわけば幸いです。

問42 

(問題)
医薬品医療機器等法第36条の8に規定する販売従事登録に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。なお、本設問において、販売従事登録を受けようとする者は、薬局 のみで医薬品の販売又は授与に従事するものとする。ただし、厚生労働省令で定める書類の省略に関する規定は考慮しなくてよい。
a 販売従事登録を受けようとする者は、販売従事登録申請書を医薬品の販売又は授与に従事する薬局の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。
b 販売従事登録を受けようと申請する者が薬局開設者でないときは、雇用契約書の写しその他薬局開設者の申請者に対する使用関係を証する書類を販売従事登録申請書に添付しなければならない。
c 登録販売者は住所に変更を生じたときには、30日以内に、その旨を登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。
 a b c
1 正 正 正
2 誤 誤 正
3 正 誤 正
4 誤 正 誤
5 正 正 誤

(答え)5
a〇 この通りですね。ポイントとしては従事する薬局の都道府県になります。自分の住んでいる場所や本籍等の都道府県ではないので注意が必要ですね。
b〇 この通りですね。ほかにいる書類は「登録販売者試験の合格を証明する資料」「戸籍謄本・戸籍抄本等」「医師の診断書」になります。
c× これは誤りですね。住所は登録することはないので必要ないです。変更の可能性があるものとして、「本籍地の変更」「氏名」があるのではないでしょうか。

問43

(問題) 
要指導医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(例えば、がん、心臓病等)に対する効能効果が認められている。
b医師等の管理・指導の下で患者が自己注射を行う医薬品は、要指導医薬品として製造販売されている。
cあらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものである。
d要指導医薬品は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する。
 a b c d
1誤 誤 正 誤
2正 正 正 誤
3誤 誤 正 正
4正 誤 誤 正
5誤 正 誤 正

(答え)3
a× これは読んだ瞬間にありえないですね・・・。基本的には、要指導医薬品は「一般用医薬品」に分類されるのですでにおかしいですね。医師の診断とかでもらう薬は、処方箋医薬品になります。
b× 注射薬は、処方箋医薬品のため文章的にあり得ません。一般医薬品で注射薬がドラッグストアで販売されていたら注射の乱用も起きるので現段階ではありえないと考えてもらった方がいいと思います。
c〇 この通りです。用法容量は、動物実験などによってきめられるので、適正使用をすることが原則です。適正使用しないで副作用が出た場合には、副作用救済機構の対応ができなくなるのでディメリットしかありません。
d〇 この通りですね。医療用医薬品(処方箋医薬品・非処方箋医薬品)が一般用医薬品になるときにはこの審議会を介して行われます。こういった薬をスイッチOTC薬(医療用から一般用に切り替える薬)といいます。ちなみにOTCはover the counterの略になります。カウンターの向こうにある薬ってことですね。
(参考)
一般用医薬品(いっぱんよういやくひん)とは、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことです。 市販薬、家庭用医薬品、大衆薬、売薬などとも呼ばれます。
処方箋医薬品(しょほうせんいやくひん)とは、医師の処方箋を必要とし、薬剤師による調剤によって処方される医薬品のことです。 これに対し、処方箋不要で薬局以外で購入することもできる一般用医薬品があります。

問44

 毒薬及び劇薬に関する次の記述の正誤 について、正しい組合せはどれか。
a業務上毒薬を取り扱う者は、 毒薬を貯蔵、陳列する場所については、かぎ を施さなければならない。
b毒薬又は劇薬を、18歳未満の者その他安全な取り扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
c劇薬を一般の生活者に対して販売する際に、譲受人から交付を受ける文書には、当該譲受人の職業の記載は不要である。
d一般用医薬品には、劇薬に該当するものはあるが、毒薬に該当するものはない。
 a b c d
1正 誤 正 誤
2正 誤 誤 誤
3正 正 誤 正
4誤 正 誤 正
5誤 正 正 誤

(答え)2
a〇 毒薬には鍵をつけることは業務上必要なので覚えておく必要があります。鍵をかける以外にも、他のものとは区別して保管も併せて覚えておくといいです。
毒薬・劇薬はほかにもラベルの色は絶対出ますので覚えておく必要があります。毒薬黒地白枠白文字劇薬白地赤枠赤字になります。ややっこしいので注意が必要です。自分も苦手でした・・・・。舌に図を入れておきますね。
b× この問題も必ず出るので注意が必要です。特に年齢ですね。14歳未満という不思議な年齢設定になっているので注意しましょう。理由はわかりません・・・。
c× ここら辺のところも覚えておく必要があります。職業も記入します。毒薬などは農薬や殺鼠剤(ネズミを殺す薬)などもあるのでイメージわきづらいと思いますがそういった意味でも誤使用しないための規制をする必要があります。毒薬劇薬を販売するにあたっての記録内容として、品名数量使用目的譲渡年月日譲受人の氏名譲受人の住所譲受人の職業譲受人の署名又は記名捺印があります。しっかり押さえておく項目ですね。
d× 要指導医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものは一部に限られているので間違いですね。仮にもし全くないのであれば問題すらないかなと思ってしまうのは私だけでしょうか・・・。

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問45

 一般用医薬品のリスク区分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a第二類医薬品のうち、「特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの」を「指定第二類医薬品」としている。
b第三類医薬品は、保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品であるが、副作用等により身体の変調・不調が起こるおそれはある。
c第三類医薬品は、保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品であるため、第二類医薬品に分類が変更されることはない。
d第一類医薬品には、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるすべての一般用医薬品が指定される。
1(a、b)2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5( b 、d)

(答え)1
a〇 この通りですね。指定とつくぐらいですからそういった意味でも何か理由があると思ってもらえればいいですね。
b〇 この通りですね。第一類~第三類までの違いは、何かあったときに副作用のリスクの大きさによって分類されています。もちろん、副作用のない薬はないのでそういった意味でも分かりやすい問題かと思います。ビタミン剤であっても合う合わないがあります。
c× 当たり前ですが、重大な副作用などあれば適宜見直しをするはずですので、一回決めたら変わらないということはないです。ただ一般的には、ある程度使用して問題なければリスク区分が落ちることがあります。第一類から第二類へ移行なんかもあります。
d× この文章は第二類なので×ですが、それ以外にも第一類は特に注意が必要であり、厚生労働大臣が指定するものになっています。

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Rare Pharmacist Hide / 薬局改善・革新士(Pharmacy improvement and innovation specialist)
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