野菜は"水に浸したら”どうなる？

「水に浸すとシャキッとする？」──その理由、説明できますか？

サラダを作るとき、レタスやキャベツを水に浸すとシャキッとすることは、多くの人が経験的に知っているはずです。でも、なぜそうなるのでしょう？ 野菜の細胞が生きているから？ それとも単なる物理的な現象？

この疑問、意外と正確に説明できる人は少ないかもしれません。

実際、野菜のシャキッと感が増すのは、細胞が水を吸収して膨圧（ターゴル圧）を回復するためです。

植物の細胞は、小さな水風船のようなもの。水が不足するとしぼんでしまい、葉がしなっとしてしまいます。しかし、水に浸すことで細胞内に水が戻り、細胞壁がピンと張ることでシャキッとした食感が復活するのです。

しかし、ここで新たな疑問が浮かびます。水を吸わせることで食感が向上するのはわかりましたが、その一方で、野菜の風味や栄養にはどのような影響があるのでしょうか？ 加熱する前に水に浸すと、味がぼやけたり、成分が流れ出たりしないのでしょうか？

この記事では、野菜を水に浸したときに起こる現象を、食感・風味・栄養の観点から深掘りしていきます。あなたが普段の調理で何気なく行っている「水にさらす」という行為が、どのような影響を与えているのか、一緒に考えていきましょう。

野菜の細胞は生きているのか？