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【解説チャレンジ④】個別最適な学び×ロイロノート 〜学習の複線化〜
解説にチャレンジする理由
解説チャレンジをしている背景はこちらの「解説にチャレンジする理由」の章をご覧ください。
学習の複線化とは
これまでの授業形態は「単線型の授業」と言われ、同じ教材で同じ内容を一緒に同じ方法で学ぶ一斉授業が基本でした。
それに対して、「学習の複線化」という言葉は、子どもたちが自分のペースとやり方で学べるように、いろんな方法や選択肢を用意します。
子ども一人ひとりが自分に合った問題や教材を選んだり、どうやって学ぶかを自分で考えられるようにする、ということです。
先生は、そのために色々な学習の方法や道具を準備し、子どもが自分に合った方法で学べるように助けます。この「複線化」の学び方では、みんなが同じ方法で学習をするのではなく、一人で調べる子もいれば、友達と一緒に考える子もいます。自分で学習計画を立てて、進めていく力をつけることが大切で、先生はそのサポートをします。
その結果、子どもがさまざまな選択肢から自分で意思決定をし、それを繰り返すことで問題設定と解決力を身につけ、自立した学習者に成長することを目的としています。
ポイントとしては、どんな教材を使うか、どこで学ぶか、どうやって学ぶかなど、学習のいろんな部分で選択肢を増やすことが大事です。そして、子どもたちが自分で学習を進められるように、先生が必要な力を教えたり助けたりします。
つまり、複線化は、30人いれば30通りの学び方があってもいい、という考え方です。それぞれの子どもが、自分に合った方法で学びを進めることができるように、先生が工夫して学習の環境や教材を準備するのが「複線化」の学習です。
学習の複線化を「もし料理教室が複線化したら?」で考えてみる
まず、「何を複線化するか」というのは、料理教室でどの部分に選択肢を増やすかということです。
例えば、メニュー作りの段階で、参加者が「パスタを作るか、カレーを作るか」を選べるようにすることが「何を複線化するか」に当たります。
また、料理の手順でも、「トマトソースを使うかクリームソースを使うか」といった具材や調味料の選択肢を増やすことも含まれます。
次に、「どこを複線化するか」というのは、料理の過程のどの部分で選択肢を増やすかです。たとえば、「野菜の切り方を細かく切るか、大きめに切るか」「炒める時間を短くしてシャキシャキ感を残すか、じっくり炒めて甘みを引き出すか」など、具体的な調理の段階で選択肢を提供します。また、「一人で作業するか、ペアで協力して作るか」など、学び方そのものに選択肢を持たせることも「どこを複線化するか」に当たります。
料理教室で「複線化」を成功させるためには、参加者が自分に合った方法でレシピを学べるように、メニューや作業工程で適切な選択肢を提供することが重要です。ただし、最終的な目標はおいしい料理を作ることなので、選択した方法がその目標に合っていなければ、満足な結果になりません。たとえば、炒めすぎて焦がしてしまうと、おいしい料理にはなりません。その学習があることで次はどのように調理するか考えるきっか苦になります。
講師の役割は、参加者が自分のペースややり方で学べるように、どの部分でどの程度の選択肢を与えるかを考えることです。そして、参加者が最終的には自分で料理を作れるように、必要な技術や知識を少しずつ教え、手助けをすることです。
料理教室での「複線化」で例えましたが、つまり参加者が自分に合ったメニューや作業方法を選べるようにすることです。それによって、参加者は自分に合ったペースで学び、最終的には自立して料理を作る力を身に付けることができます。
学習の変化はどうなる?
今までの学び(単線型)は、全員で同じ方法で学習します。個別学習の時間は全員が個別学習をやる、グループやペアになっての協働学習時間は全員がペアやグループになって協働学習する。同じ内容を同じ手法で一緒に学ぶスタイルです。
しかし、「学習の複線化」が進むと、一つの教室の中で、ある子は一人で静かに教科書や資料を読みながら、未知の学習にチャレンジします。一方、別の子は友達と一緒に「次の問題どうやって進める?」って相談しながら、アイデアや意見を出しながら学習します。あるグループは、昨日教えてもらったことを再度先生に教えてもらいながら学習します。
つまり同じ場所にいながらもみんなそれぞれが別の手法で学習をしています。さらに、一時間の中で、個々の学習と仲間との協力が同時に進んでいきます。
みんなが自分のペースで、自分に合った方法で学びを深めていきます。それぞれが自分にピッタリな「学びの地図」を持って進んでいくのは学習の複線化です。
先生は、子どもたちが自分で学びの冒険に出られるように「探検ガイド」のような存在になります。子どもたちが迷ったときにヒントをくれたり、もっと面白い道を見つける手助けをしてくれたりします。このように、学びが複線化することで、子どもたちはただ与えられた道を進むだけでなく、自分の力で進む力をつけていきます。