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入院中のエピソード*クローン病体験談*

今日は、クローン病で入院していた時の出来事を書こうと思います。あれは確か、6月ごろ入院して4か月ほど経った頃ではないかな…

いつものように、担任の先生が様子を見に来てくれました。

しかし、その日のわたしは、ものすごく体調が悪く、気分も悪く、泣いたり泣き止んだりしていました…。

とてもじゃないけど、先生と顔を合わせたり、話をすることができませんでした。はっきり言って、なんでこんな時に来るの?と、迷惑に感じ、それを態度に出し、ムスッとしていました。

それでも先生は、少しだけど、言葉をかけてくれたり、そこに居てくれました。相変わらずわたしは無視……。ほんとに無視でした。

「先生すみません、今日体調が悪いんです」それくらいなら、言えたかもしれないのに、「わたし体調悪いの。機嫌も気分も悪いの。話とかできないから」というような、態度で示して、察してほしいという甘えがあったと思います。

先生が帰る時、後ろ姿がみえました。

「少しでも良くなってたり、元気になっているといいな」

「今日の体調はどうだろう?」

生徒に対する、ふつうに優しい気持ちと期待があったことを、うかがわせる後ろ姿でした。

「あーあ、元気になってくれてたら良かったけど、やっぱまだ体調悪いかぁ…そっか…」みたいな、肩を落として、残念そうな姿でした。

このことを、最近noteに書こうかなと考えていて、思い出すたびに泣きそうになっていました。

ほんの少しは、「せっかく来たのに、なんだよ」というような気持ちもあったかもしれません。でもあの残念そうな後ろ姿は、本当にわたしが元気でいてほしいと思っているからこそなのだと思うと、その気持ちが嬉しくて、泣いてしまいます。興味本位でのぞきにいってやろう、なんて、そんなものじゃないのもよくわかります。

先生がそういう人だと伝わってくるエピソードがほかにもあります。それはわたしのことではないのですが、クラスメイトが少しの間、学校に来れなくなった時期があったけど、来れるようになったんです。その時も、先生は、ものすごく嬉しそうでした。友達と話しているその子の姿を見て、涙ぐんでいたのを、わたしは遠くから見ていました。そして思いました。「先生ほんとうに喜んでるなぁ…」と。

と、いろいろと思い出していると、あの時のわたし…もうちょっとどうにかならなかったかなぁ……と、いう気持ちになったり、でも、自分もつらかったし仕方なかったのかな…という風にも思います。

それから、友達が来てくれた時。わたしはベッドに寝たきりで起き上がることができず、そのままの態勢でいました。ちょっと話せたんだったかなぁ…?友達は、持ってきてくれたシュークリームを置いて帰っていきました。後日、その友達がわたしのことを「へこんでる」と、部活のメンバーに話していたことを知りました。まあ、へこんでるのも間違いではないのですが、体調悪かったんだよね……。

それから部活の顧問の先生もよく来てくれました。吹奏楽部のコンクール出場のVHSを観るために、ビデオデッキまで持ってきてくれて、観られるようにしてくれました。

それから、大人になってから入院したときには、「君の手がささやいている」という漫画を全巻持ってきてくれて、貸してくれた人もいたし、18歳の頃の入院では「あたしンち」のコミックスの新品を持ってきてくれた先生もいました。いろんな曲をMDに録音して持ってきてくれた友達も。

病院で休んだり、眠ったりしているのに、自分が来たことを、なんとか知らせようとする人も、たまにいます。ほんと、そういうのは意味がわかりません笑。何しに来たの?って感じです。そういう人はさておき、

ほんとうに、たくさんの人にお世話になったし、支えてもらったなぁと感謝の気持ちでいっぱいになります。……だからこそ胸にしまっておきたい気持ちもありました。

でも、今できることは、こういう文章を書くことによって、自分が何を考えているのかを言葉にする、ってことがひとつあるのかなぁと思うんです。

たとえば、親身になってくれる人というのは、親ぐらいしかいないんじゃないか?と、どこかで思っている自分がいました。誰だって自分の生活があるし、18歳の頃は、友人は受験生だったわけだし。

だけど、このエピソードを書いてみると、親以外にも、周りの人たちが本当に心配してくれて、早く元気になってね、と、思って行動してくれたんだってことがわかります。

やっぱり、興味本位の人ばかりではなく、誰かが元気になったり、少しでも良い状態になったり、幸せになったりすることを、ふつうに、望んだり願ったりできる人も世の中にはたくさんいるんだなって思うし、わたしもそういう人間でありたいと思います。



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