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息子のたいようがメロンソーダを飲み始めたのはいつからだっただろう。 それは去年の秋だっ…
常に私の心を虜にし続ける食べ物がある。 ふと思い出すというレベルではなく、いつだってそ…
私には小学生の息子がいる。 息子には障害があって、人とコミュニケーションを取るのが苦手…
私は今まで生きてきて、全力を使って真剣に走る人を見るのは、運動会の徒競走だったり、体育…
「ハイハイを教えてくださる先生がいらっしゃるのですが、ぜひ参加されてみませんか?」 数…
座薬を、自分で、自分の尻に挿入する……。 なんということだ。 これは当時、30代前半…
「もう、立ち直れない」 仕事から帰宅した夫のM太が玄関口で唐突にそんな言葉を言い放った。 はつらつとした横に幅のある体格とは逆に、その目はどこか虚で悲しみさえをまとっているようかのようにも見えた。 手にはスーパーのビニール袋と、仕事用の四角い黒いかばんを持っている。 「おかえり。どうかしたの?」 私はM太のそばに駆け寄る。 「ネギ、落とした」 「えっ?」 私は一瞬、聞き間違えたのではないかと思い、黙ったまましばしの間考え込んだ。 「ネギ、落とした」