なぜベクトルとベクトルをかけるとスカラー(量)になるの?に対する分かりやすい答え
答え:プラスのベクトルもマイナスのベクトルも、どちらも同じベクトルをかけると、全てプラスのベクトルの2乗になり、例外が存在しないため。
つまり、マイナスのベクトルの2乗という存在が「ない」から。
大きさだけを持つのがスカラー(量)で、
大きさと方向の2つを同時に持っているのがベクトル(量)だ。
ベクトルとそれと同じベクトルをかけるとスカラーになるという話は、内積の話だったよね。
a・b=axbx+ayby+azbz=スカラー
ここで、なぜベクトルとベクトルをかけるとスカラーになるんだよ(笑)。ベクトルとベクトルをかけたらベクトルだろ??同じ単位でなきゃ足し算できないって物理で習わなかったのかwww
と、思った人も多いはず。
a⋅a=∣a∣^2
そのベクトル同士の内積は、そのベクトルの大きさ(ノルム)の二乗に等しくなる。(cosθ=1とした場合)
この地点で、ベクトルは大きさ(=スカラー)になる。と言っているんだが、
何を言っているのか実感が湧かない。なので物理学で例えを出そう。
-a、の意味
ベクトルにつく、+a,-a,という概念は矢印の方向か、その真逆の方向か。という意味。
だから、-a,というベクトルは、+aベクトルの反対だよ、って意味。
試しに、運動量
p=mv
p=m(-v)
この2つの事例を見て行こう。例えば質量mの貴方が、速度vで、家から学校まで走っていたら、p=mv、と運動量で表記される。つまり、運動量というのはベクトルだ。
そして、その正反対、p=m(-v)=-mv、だと、むしろ学校から家まで走っているという意味だ。
そして、その運動量に積分をしてやると、運動エネルギーになる。
公式の、運動エネルギーは、E=1/2mv^2になる。これは同じベクトルを2つかけているから2乗という意味になる。
運動エネルギーはスカラーという
でも待って、+vも,-vも、それらを公式のvに代入してやるとどちらも、
E=1/2m(+v)^2=1/2mv^2
E=1/2m(-v)^2=1/2mv^2=1/2m∣v∣^2
あれ!!!!!!!!????
どちらも、「+E=1/2mv^2」になるぞ!!!!
運動エネルギーがマイナスにならないぞ!
奇跡の一致!!!!
つまり、逆方向のベクトルである-vに、同じベクトルの-vをかけてあげれば、
(-v)^2=+v^2=∣v∣^2
となり、プラスの(速度)ベクトルの2乗、という話になってしまう。
よって、ベクトルとベクトルをかけると、
どんな運動エネルギーも必ずプラスになりそ
の例外が存在しない=
大きさと方向性のうち、マイナスの方向性を失ってしまう、プラスだけでしか表記できなくなる絶対値のついた状態=
ゆえに、大きさだけを持つスカラー量に変化する。
マイナスのベクトル×マイナスのベクトル=プラスのベクトルの2乗
教訓:どんな変数でも必ずプラスの符号がつく結果になるなら、それは絶対値になっている。