【モロッコ】 砂漠飯!サハラで食べたタジン鍋
わたし、蘭ハチコが世界放浪していたときのエッセイ。
サハラ砂漠で食べたタジン鍋の味は今でも思い出に残っています。
サハラ砂漠とは
サハラ砂漠は北アフリカ一帯に広がる世界最大の砂漠。アルジェリア・リビア・エジプトの国土の大半に広がっています。
サハラ砂漠で多く暮らしているのはベルベル人です。
ベルベル人とは
ベルベル人とは北アフリカに広く居住する先住民族であり、ベルベル語を話します。ベルベル人の多くはイスラム教徒です。
「ベルベル」の名称はギリシャ語のバルバロイ(ギリシャ世界の外に住む文明化されていない人の意)に由来しているため、自称はアマーズィーグ(高貴な出自の人間、自由人の意)。
メルズーガから1泊のサハラツアーへ
20XX年9月。私はモロッコのメルズーガという町にいた。そこはサハラ砂漠へのツアーで有名な町だ。
当然のごとく、それに申し込んだ。夕方にラクダに乗って出発し、夕陽を見て、砂漠の中にテントを張り、1泊して帰るというもの。
砂漠は人生で2度目。1度目はインドのジャイサルメールからのタール砂漠へ行った。
記憶は風化するものではあるが、インドのタール砂漠よりサハラ砂漠はきれいだと思った。
もちろん訪れた箇所によるものかもしれない。
どこまでも続く砂の大地。風に吹かれたままの形を残している。
そこを進むキャラバンの影。
ラクダの乗り心地は正直良くなく、相変わらずお尻が痛いけれど、広大な景色のなか、列を成して進んでいく様子は圧巻だ。
昔の行商人はこうしてラクダにのって旅をしていたいのかと、想いをはせる。
やがてキャンプ場(といえど、砂漠なので何もない)につき、徐々に沈んでいく夕陽を眺める。
日が沈むとあたりは真っ暗に。
ベルベル人のガイドさんがテントを設営し、夕飯の準備をしてくれる。
わたしが乗っていたラクダちゃん。
周りに落ちているのはラクダの糞かしら。
ベルベル人が作るサハラ飯!
暗闇の中、火をおこし、一から料理を作ってくれる。
そして出来上がったのは茄子とトマトがたっぷりの、タジン鍋。味付けはいたってシンプルだが、野菜本来の甘さが際立っている。
煮汁は野菜の出汁がたっぷりで、それにパンをつけて食べるのが、また美味しい。
タジン鍋をいただいたあとは、太鼓を叩かせてくれたり、スカーフの巻き方を教えてくれたりと至れり尽くせりだ。
余談だが、トイレはもちろん野外トイレ(どこでもトイレ)。
キャンプ場がから少し離れた見えないところまでライトで照らして行き用を足す。あたりは真っ暗で、遠くからかすかに聞こえる同じツアー参加者の話声。
それ以外はシンと静まり返っている。
夜空には満天の星。流れ星もいくつか見えた。
ずいぶん遠くまで来たなあ……と用を足しながら物思いにふけるのであった。
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