お茶を長く続けるために①
こんばんは。今日は街を歩くと、道に赤や黄に染まった葉が散り敷いていて、鮮やかさに目を奪われました。花の無くなっていく冬を前に、古人も花とは違った美しさを持つ紅葉を楽しんだのかな、などと考えておりました。
さて、茶道をなさらない方は、お茶はいわゆる文系の趣味、といった静かな印象をお持ちかもしれません。もちろん決して激しい運動をすることは無いのですが、たっぷりお湯の入った釜(かま)を持ち上げたり、箸で物を掴んだり、正座からの立ち上がり、といった動作が難なくできないと不都合が出てくる面があります。この中で、正座からの立ち上がりを年を重ねても出来るように、と今まで何人かのお茶人からやっている、と伺ったことがありまして。
それは和式トイレの利用。現代では自宅に和式トイレがある方は殆どいらっしゃらないかと思うのですが、外出先などで和式トイレがあるなら、極力これを使うようにするというもの。毎日通う職場などでなく、たまの外出先での使用程度では、もちろん鍛えられるまでには至りませんが、和式トイレを使ってみることで、自分が事を致す姿勢を取るのにどの程度の難があるのかを知ることが出来、これを元に日々、スクワットなど必要な筋トレをすることにつながっていく、というわけです。
和式トイレの利用には足首や股関節の柔軟性や足腰や腹筋・背筋等の筋力も必要で、洋式トイレ導入前はお年召した方も必要にかられ、ある程度鍛えられていたのでしょう。生活がかなり洋風化されている中、筋肉の付き方も洋風の生活仕様になっている現代のわたしたちは、お茶のような和風のことをするためには意識してその体作りをする必要があるともいえます。
ちなみにわたしが小学生くらいの頃は、まだ和式優勢で、外出先では和式に人が並び、洋式が空いているといったことがよくありました。便器を介しお尻が他人と接するのが躊躇われるというのが洋式が避けられる理由でした。が、いつの間にか逆転し、今は洋式に人が並び、和式が空いている、ということがよくあります。で、わたしなどはそこを、では・・・と和式を使わせていただいております(最近衰えを感じることも増え、筋トレも少々しております)。先日読んだある文章では、現代中国では、若い人の間では、一時洋式優勢になっていたけれど、この便器を介してお尻が他人と接することが嫌で、今は和式風のものに戻る傾向が出ているとか。日本でも同様のことが起こっていくでしょうか。
今日の写真のお菓子はそろそろ名残の亥の子餅です。
写真のものは胡麻の香りがしましたが、肉桂の香りがするものなどもあり、和菓子では珍しく香りを持つものが散見されます。
街はクリスマスの飾りとお正月用品が売り出されてきています。年内に仕事や家事、勉強などでここまでは目途をつけておこう、などと計画している方もいらっしゃるでしょうか。年末まで無事駆け抜けられますように。