今学期の授業とお仕事
みなさんこんにちは!
毎学期恒例の「授業紹介」をまだしてなかったのでせっかく学期の折り返し地点なのでやってみよう!と思いました。
今学期の授業
CS114: Probability, Statistics, and Structure of Randomness (確率統計)
私の学部であるCollege of Computational Scienceの必修科目で、四つある中で2年生の間に取りきれなかった最後の科目です。組み合わせなど高校数学のおさらいみたいなところから始まり、二項分布や有名な確率分布について学んでいきます。
感触的には内容自体の難易度がすごく高いわけではないけど、基礎を取りこぼすと訳がわからなくなることが多い科目だと感じています。教授はとても優しくてわかりやすい人なので授業に行くのはとても楽しいです。またクラスにいるのがほとんど同じ学年の友達なので緊張感はあまりないです。
CS164: Optimization Methods (数理最適化)
ミネルバの3年次向けのクラスで、最適化という数学の中でもさらに細かい分け目に入ってきました。内容としては制約なし最適化と制約あり最適化という二つの最適化について学んでいきます。大枠としては「用水路の容量を1番大きくするには?」「身長を元に最強のバスケチームを作るには?」など、与えられた問題に対して最適解を求めるというプロセスを色々な方法でやってみる形になります。
個人的に3年目の数学の必修授業で1番興味があるもので、将来進みたい分野でもあるので面白いです。教授は先学期の線形代数の先生と同じ人なのでスタイルはよくわかってますが、確率統計の方と違ってこちらは圧倒的に4年生と男子が多いです(女子は私含めて2人だけ)。ゴリゴリの数学勢しかいないので最初は結構怖かったですが、最近は慣れてきました。必修ではなくelectiveとして取ってる人が多いのでアクティブさは欠けますが内容は面白いと言ったところです。
Capstone Seminar (卒業制作ゼミ)
ミネルバで4年目から本格的にスタートする卒業プロジェクトの準備授業で、テーマ探しや色々なタイプのプロジェクトをやってみてどれが自分に合いそうかを考える授業です。こちらは単位が半分なので週一回のみで専攻問わずランダムにみんな割り当てられます。時間帯が朝なのもあって教授の話を聞いてるとちょっと眠たくなりますが、課題で「研究」「プロダクト制作」「クリエイティブ」の3種類のミニプロジェクトに全て強制で挑戦させられるのは新鮮で面白いです。専攻に関係のあることでもないことでも好きにできるので、高校生ぶりにもう一度言語学を学び直してみたりしてます。卒業プロジェクトに実際に言語学を取り入れるかは未定ですが、久しぶりにモチベは湧いてきたので候補に入りそうです。
今学期の仕事
2年生からミネルバの学内バイトをやっているのですが、今年はSustainability Lab Research Assistantという少し特別なポジションにつけることになりました。政治政策、衛生データ、AIの3チームに分かれてブエノスアイレスの環境問題に取り組むというものです。私は政治政策チームでブエノスアイレスの都市部分を流れるMatanza Riachueloという大きな川の汚染問題について取り組んでいます。
あれ?数学やってるならAIとか衛生データじゃないの?と思われるかもしれません。
実は2年生の時の地球科学の授業の最終プロジェクトでデジタル機器に使用される貴金属のリサイクルについて政策提言を書いてみたり、政策にはちょっと興味がありました。ただ、夏にサイバーセキュリティやAIに対する政策などを調べていた中で個人的に強く感じたことがありました。それは「政府が結局スタンスを変えないと大きな変化は生まれない」ということでした。いくら誰かがすごい技術を作っても、政府が受け入れなければ本来発揮できるパワーがなくなってしまうこともあります。特にwinny事件について色々調べてた中でこれを強く感じ、政府がもっとデジタル技術に対する向き合い方を変えられれば今ホットワードになっているデジタル化もきちんと効果のあるものになるのでは?と感じました。すでに多くの人が感じているモヤモヤだとは思いますが、機会と興味が重なりどんどんこの疑問について考えてみたい気持ちが強くなりました。
そんなわけで政治政策のチームに応募し、書類・面接と合格して晴れてラボのメンバーになることができました。政治学専攻でもなければサステナビリティ副専攻でもないのに受かったのは謎でしたが、ラボの監督?をしてる教授の授業を前にとったことがあったのでそれもあるかなと思っています。
9月から正式にキックオフしてから具体的に何をしてるかというと、ブエノスアイレス市内を流れるMatanza Riachueloという川の汚染問題をテーマに同じ学年のメンバー5人で活動をしています。仕事内容は主に以下の三つを行なっています。
環境問題に関する政治政策についての授業
授業で学んだ内容をMatanza-Riachueloをテーマにしてるリソースを探す
Matanza-Riachueloの汚染問題の関係者にインタビュー
Matanza-Riachueloはとても大きな川ですが、都市の発展に法規制が追いつかず企業の汚染水がそのまま垂れ流されていたり下水がそのまま流されていたりします。また川沿いにスラム街が広がっていて自分で組み立てた家に住んでいる人がたくさんいます。住民たちの健康被害も相次いでいて、2006年にはこの公害について裁判がありました。この裁判の結果政府はこの川の清掃を行う部署を立ち上げたのですが、この部署があまり約束通りに動いておらず今でも川の汚染は続いています。バックグラウンドとしては日本の水俣病と少し似ていて裁判時には前例として使用されたこともあるようですが、こちらの方が規模が大きくさらに複雑化しています。
大きな問題点として環境問題に対する政治政策の優先度の低さ、経済危機による政府予算不足、そして政府と市民両方のサステナビリティに対する認知度が低いことが挙げられます。やりたいと思う人がそもそも少ない、そしてやりたくてもお金がないというかなり難しい現状ですが、3年生の終わりには何かしら集めた情報を元にSustainability Labとして提言を出そうという計画になっています。
自分1人では到底辿り着けない人たちに出会えたり、政策作りってそもそもどう行われているのかを手探りながら学べていてとても興味深い体験になっています。と同時に、数学の授業ではあまり長い論文などが出されることはないので久しぶりに文系の論文を20-30ページを読んでちょっとキツイなって思ったりしてます笑
そしてもう一つ大きな活動として、今年7月から52Hz Accelerator(通称アクセラ)のメンターも行なっています。noteではあんまり宣伝していないのですが、52Hzは創設時から長く参加している団体で主に海外進学に興味のある中高生のサポートを行うコミュニティです。詳しいことは公式SNSを参考に〜
アクセラではゼミという形で少人数の中高生たちと他の海外大生のメンターと一緒に毎週会って自分の興味を見つけ、それに向かって走っていくのをサポートしています。私のゼミは中二から高三まで幅広い年齢層の学生6人と愉快な海外大生2人と一緒に自己分析や課題解決のプロジェクトをやってます。最近はみんなどんどん仲良くなって深入った話もできるようになってきたので先輩後輩みたいな関係性よりも普通に友達といるみたいな感覚でいます。
こういった和やかな雰囲気もありアクセラでやっている活動は仕事というよりも趣味とか好きでやってることに近くて、忙しい学期の中のヒーリング枠みたいになってます。(怠けているというわけではありませんw)52Hzは全体的に中高生も海外大生もワクワクを追い求めてる人たちがたくさんいるので、そういった人と話すとエネルギーをもらえて自分もワクワクってそういえばなんだっけなと考えさせられます。
少し長くなりましたがこれまた濃密な学期を過ごしています!日本人目線の最新のブエノスアイレス情報があまりないので、もうちょっと街紹介とかもできたらと思ってます。不定期なのでいつになるかわかりませんが、でたらお楽しみに〜
ブログの更新やその他つぶやきなどXで発信してます。こっちの方が更新量は多いのでぜひチェックしてくださいね〜
ではまた今度!