NHK FM Crossover Eleven ナレーション傑作集 真夜中の漂泊者たち&真夜中の旅人たち
もうすぐ、時計の針は12時を回ろうとしています。今日と明日が出会う時、クロスオーバーイレブン・・・
「クロスオーバーイレブン」はNHK FMで1978年から2001年まで夜11時から放送されていました。
10時から当時の最新音楽情報を伝えていた「サウンドストリート」があり、続いてムーディーなナレーションのこの番組が始まります。
勢いがあったのは80年代だったように思います。
番組の人気を支えていた語りの文章をまとめた傑作選が当時発売されました。
ナレーションで語られる物語と音楽がクロスオーバーした。
音楽ではフュージョンやクロスオーバーという言葉が盛んに使われていた時代でした。
エッセイストや放送作家たちが音楽との相乗効果を演出する物語を書き、石橋蓮司、清水綋治、富山敬らが雰囲気タップリに読み曲がかかります。
玉村豊男さんはワインやグルメの世界でも有名ですよね。
出倉さんや滝沢さんはバラエティー番組の第一線で活躍されていた放送作家です。
深夜のラジオがロマンに満ちていたころ・・・
深夜放送が若者の広場だった時代から視聴者層が広がり、一方では「ビートたけしのオールナイトニッポン」のようにドライブ感たっぷりの生放送があり、一方には「クロスオーバーイレブン」のような落ち着いてスタイリッシュな番組があったのです。
ラジオがまだ豊かだった時代です。
今も面白い番組を頑張って生み出しているラジオの制作スタッフたちに、同じような豊かな環境があったのなら、ラジオはもっともっと活気づくでしょうにね。
とつぜん川上未映子さんの「すべて真夜中の恋人たち」が思い出されました。関係あるのかな?
帯の破損が悔しい。
80年代のラジオ文化が香る1986年の初版です。
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