「みんなでつくる」チームが考える。ブランドとユーザーのこれからのコミュニケーションとは?<「みんなでつくろう企画」座談会/後編>
アパレルブランドstudio CLIPの、ユーザーと一緒に新しい定番商品を開発するプロジェクト「みんなでつくる HELLO! iDEA HELLO! New basic」、通称『みんなでつくろう企画』。
ブランドと、ブランドのファンと、わたしたちラナエクストラクティブ (通称:Rex)。その壁を飛び越え”みんなでつくる”を体現し、ブランドとファンのつながりをより強くしたこのプロジェクト。
前編では「ファンに愛される商品企画はどう生まれたのか?」「いろんな立場の人たちがひとつのチームになれたのはなぜ?」など、プロジェクトの裏側を聞いていきました。
後編では、「ブランドとユーザーのこれからのコミュニケーションは?」「この経験を何に活かしていく?」など未来のお話を聞いていきます。
▼前編はこちら
[左から:今冨紗和子(アートディレクター)、清水千晶
(プロデューサー)、木下奈緒(プロジェクトディレクター)]
ブランドとユーザーの新たな接点のつくりかた
編集部:もう一個絶対聞きたいことがあって、今(5月15日時点 )コロナで店頭販売ができないなどstudio CLIPさん(以下: CLIP)も大変な時期だと思うのですが、これからのブランドとファンのコミュニケーションについて考えていることってありますか?
清水(PR):CLIPさんとは、以前からお客さんとのコミュニケーションの仕方はもっと色々あるんじゃないかってお話はしていて。例えば、「新商品がでたらWebサイトをつくる」っていうのが当たり前になりすぎているんじゃないか。SNSから直接購入ページに飛べる状況でWebサイトは本当に必要なのか、とか。
制作物の有無に関係なく、コンセプトがしっかりしているから物が売れるっていう状況までクリエイティブディレクションできるのが一番の理想なのかもしれないです。
「物があって販促して売る」ではないブランドとお客さんの接点のつくり方を、思ったより早く考えなきゃいけないタイミングになってしまったなと思っています。
編集部:なるほど...新しいコミュニケーションの仕方、何でしょうね。
清水(PR):ね、何でしょうね。いま、色々と広げて企画を考えている状況です。
プロジェクトの先にあるものは?
編集部:今回は「みんなでつくろう企画」に関してお話を聞いていきましたが、今後このプロジェクトで得た経験をどんなことに活かしていきたいですか?
今冨(AD):「みんなでつくろう企画」が商品が決まる前から関われるものだったので、他の案件でもゼロベースで関われると楽しそうだなと思います。Rexとして知見もありますし。
清水(PR):私は「みんなでつくろう企画」を長くやってきた中で、他の案件にも持ち込むようになった考え方が2つあります。
ひとつは、CLIPさんから「ただ単にブランドに寄り添ったデザインや企画を出すんじゃなくて、ブランドがまだ気付いていない世の中のムード感をミックスした提案を待っているんです」と言ってもらったことがあって。
商品やブランドのメッセージだけを材料にするのではなく、普段から世の中を見て流行っているものなどを捉えた上で、ブランドのやりたいこととリンクさせながら考えるっていう癖は鍛えられたと思います。
あとはお付き合いが長いと、与件を待っているだけだとルーティンの繰り返しになってしまう。何か気付いたらどんどんこっちから持ち込み提案をするようにしたことで、他のクライアントさんにも気軽に提案ができるようになりました。気付いたことがあったらパパッと2,3枚でもいいから持っていくと意外とそこから話が進んだりするんですよね。
なお(DR):わたしは、伝え方でこんなに結果が変わるんだってことに気づきましたね。言葉遣いと見せる順番を最後まで考え切ることが大事だなと。
クライアントさんからもらった情報を並べるだけじゃなくて、どういう風に表現したら届くかっていうのを「みんなでつくろう企画」で色々と試行錯誤できたし、新しい発見がたくさんありましたね。今後も活かしていきたいと思っています。
「みんなでつくろう企画」チームのここが自慢!
編集部:未来のお話も色々とお聞きできました。では、最後に1つ、このチームの自慢ポイント、「このチームってここが素敵!」ってところを教えてください!
みんな:おお笑
清水(PR):なんでしょうね。ブレストはすごく早いですよね 。パッと課題を共有して、みんなでアイデアを持ち寄って、しかもあんまりボツがなくて整理するだけで提案書になるっていう感じ、何なんだろうあれは。
今冨(AD):うんうん。みんなバンバン意見出しますしね 。
なお(PR):*ウォーターフォールだったら絶対できない案件でしたよね。与件が決まってからその通りに物をつくります、修正回数は2回までです、って方法だと難しくて。序盤から関わらせていただいているから与件も状況もどんどん変わるんですけど、「みんなでつくろう企画」のチームはみんな状況が変わっても思考の切り替えが早い。
*ウォーターフォール:: 上流から下流に水が落ちていくように、1つずつの工程を切り分け順に完了してから移行していく開発手法。「アジャイル開発」と比較されることが多い。
清水(PR):そうそう。あと、みんなクライアント(CLIP)さんのことが好きですよね。
今冨(AD):うんうん、そうだね。
清水(PR):チームのメンバーひとりひとりがCLIPの担当者さんのことを好きなので、「あの人が言ってるならそうだね」っていう感じで納得できるんです。「この間出した提案は全部なしになりました」って言われても、そうなんだって気にしないっていう笑。
なお(PR):事情を説明してくれるので、「じゃあなしになるな」って思えますしね。再提案でも納得して次に進めるというか。
編集部:信頼関係が素敵ですね。とっても良い話が聞けました。ありがとうございました!
編集後記
座談会を通して最も感じたのは、クライアントさんやエンドユーザーの方など自分の目に見える好きな人たちと、自分が本当に良いと思うものを届けるお仕事ができているというのはとても幸せなことだなあと。ポジティブに一緒に進んでいけるチームだからこそ、ポジティブな伝播がどんどん起きていっているのではないかなと思いました。
今回のお話が、ブランドとファンのコミュニケーションや、チームのつくり方などのひとつのご参考になると嬉しいです。
前後編と盛りだくさんな記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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▼studio CLIP|みんなでつくる HELLO! iDEA HELLO! New basic
▼ラナエクストラクティブ |「みんなでつくろう企画」Work紹介ページ
ライティング・編集 :しまだゆうな(広報)
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