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願いの声


ぼんやりとした輪郭を捉えては消える。
伸ばした手が空を掻く。
あと少しで届きそうなのに…。

探し求めていたそれは、とてもシンプルだった。

願いの「声」を音にする

ケイさん主催のワークショップGOOD VIBESに参加した。
案内のnoteを読んだとき、ケイさんの強い熱量に心が動き、直感で参加を決めた。

「今日の自分」から「未来の自分」への声の贈り物

GOOD VIBES:ケイさん

とってもワクワクして、当日を楽しみにしていた。


その頃のわたし

THECOACHインテグレーションコースの旅が始まり、2ヶ月ほど経ったところ。
カレンダーが埋まり、知らぬ間に一日一日を過ごすことしか考えられなくなっていった。
何か、変化してきている。
それが何なのか、何を意図しているのか。
丁寧に辿る間もなく、通り過ぎてゆく。
置き去りになったものたちが蓄積していくのを感じていた。


ここにあるもの

会場は自然豊かな場所にあった。
ここで一日、自分と向き合えることが嬉しかった。

様々なワークを通して、自分の中に生まれてくるものがあった。

自分の声のフィードバックをもらうこと。
声の魅力マトリクスから気になるワードを抽出し深めること。
何もしないワーク。
相手に声を届ける体験。
みんなで作品を創るプロセス。
そして、仮音源の鑑賞。

これらすべてが、作品制作に欠かせないものだった。

午前は、ひとつの問いが立っていた。
午後は、何もしないをする時間からはじまった。
「どの樹の近くに居ようかな」そんなことを思いながら、芝生にレジャーシートを敷いて横になる。
はじめは思考していたが、穏やかな気候の心地よさを感じ、徐々に手放していった。
ぼんやりと樹を眺めていた。
そよ風になびく葉が心地良さそうに思えた。
大地を這うしっかりとした根がある。
たしかにここで、生きている。
強いエネルギーを受け取った。

1回目の録音。
とっても緊張した。
決めた言葉を間違えずに言うことに意識が向いていた。

相手に声を届ける体験。
意識的に声に意味を乗せると、エネルギーが湧いてきた。
いや、大地から受け取ったエネルギーが溢れ出たような感覚だった。
立ち姿も、息の流れも、全て違う。
相手からのフィードバックがとても温かかった。
たしかにそこに「ある」ものを感じられて心震えた。
いままで「ない」ことにしようとしていたもの、なんだか居心地悪かったものに「ここにいていいんだよ」とちゃんと居場所を与えられた。
それが相手に伝わった。
たしかに受け取ったよと返ってきた。
嬉しかった。
心がじんわりと温かくなった。

みんなで作品を創るプロセス。
とても自然な流れで、決まっていく。
誰かの提案が、連鎖的にアイデアを生み出していく。
話し合いを経て、場のエネルギーがより大きくなっていくのを感じていた。

2回目の録音。
エネルギーを渡し合い、声や表情が大きく変化した。
みんながそれぞれの方法で見守る姿勢も、とても温かかった。
みんな、キラキラと輝いていた。

仮音源の鑑賞。
違う声で、違う言葉を発していのるに、自然なまとまりを感じて驚いた。
それぞれが、言葉に乗せた想いと願い。
それらは違うはずなのに、同じ景色を観ているよう。
物語に、心震えた。

1日時間を共にしただけなのに、確かな絆がそこにあった。


はじまり

数日後、ケイさんがミックスし、完成した音源が送られてきた。

すぐに、音源の再生ができない自分がいた。
なにを恐れている?
そんな問いが立った。

その問いを抱えたまま、音源を聴いた。
あの場の情景がありありと浮かんで、温かな気持ちになった。
「あのときみんなで遊んだよね」と、懐かしんでいる自分がいた。
あの場の感覚や感情がこんなにも自然に湧き上がってくることが不思議で、自分の中に確かにあると感じられて嬉しかった。


物語の続き

ケイさんのフォローアップセッションを受けた。

そのときに焦点が当たっていたのは、録音のときに目を閉じていた自分。
せっかくみんなと繋がったのに、なんで内側に入ったんだろう。
それを場に出して、上手くできなかったと思っていた自分を思い出した。

完成した音源をすぐに再生できなかった理由がここにあった。
みんなはよかったけど、わたしは上手くできなかった。
そんな想いがあったから、それに直面するのが怖かった。

探求していく中での気づき。
内側と外側の両方を感じられる自分でいたい。
そのバランスを取っている。
バランスが取れていると居心地がいい。
どちらかに寄りすぎると、身体が疲れてゆく。


身体の芯に空気を通す。
ただそれだけで、自分の存在をはっきりと感じられる。
無理なく自然に呼吸ができる。
その状態で居られることこそが、わたしの心地よさ。
空を見上げて深呼吸する。
身体の真ん中がはっきりする。
こうして、世界と繋がっていく。

全ては身体と声が教えてくれた。

探し求めていた心地よさは、とてもシンプルだった。

内側(自分)が曖昧だと外側(周囲)も曖昧になる。だからこそ、内側を探求している。

自分の世界を、わたしは既に持っている。


これから

かつて外側を怖がっていた自分が、いまでは自ら外側と繋がろとしている。
やっとそこに向かっていける状態になっていることが感慨深い。
もちろん、また恐れは生まれる。
でも、大丈夫。

ワークショップで生まれた言葉。

肩の力を抜いて、ありのままを感じよう。
大丈夫、素直なわたしで生きようよ。

未来の自分へ

大切に握っていきたい。


最後に

『コーチたちのアドベントカレンダー2023冬』に寄せて。
今回のテーマは「心震えること(感動)と心地良さ(快適)」。
テーマを贈ってくださった方、ありがとうございます。

まーさん、みりさん。
今回も素敵な企画をありがとうございました。

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