介護士目線の生活リハビリ~洗濯編〜
こんにちは、白紫菖蒲です。
今回は生活リハビリの種類についてお話ししていきたいと思います。実際に行ってきた生活リハビリを一緒にご紹介していきますね。
その前に、生活リハビリにおけるADLとIADLについて説明をしていきます。評価方法として使われる、バーセルインデックスやLawdonを使われている事業所の方もいらっしゃると思います。評価方法には色々な手法がありますので介護士さんも知っておきたい内容ですね。
今回は、生活リハビリにおける「洗濯」についてお話していきたいと思います。
ご家族と同居なさっているご高齢者様の場合、ご自身で洗濯をなさる方は少ないかもしれませんが、お一人暮らしの方や自分で洗濯をしなければならない、もしくは、自分で洗濯したいという方もいらっしゃいます。
洗濯と一言にいっても、たくさんの工程があり、
洗濯物を集める
洗濯物を持って運ぶ
洗濯機に入れる
洗剤を適正な場所に投入する
ボタンを押してスタートする
洗濯が終わった音を聞く
洗濯物を取り出して運ぶ
種類別に分けて干す
シワを伸ばす
乾いたら取り込む
畳む
元の場所に戻す等…
全ての工程を行うことはとても大変です。
特に、両手を塞がれた状態での歩行は転倒の危険性が高いため、随所にスタッフの配慮が必要でした。
円背の方(腰が曲がった状態)が届くように、干す位置を上げ下げする
洗濯バサミのバネが強いものと弱いものを混ぜる
色々な種類の洗濯物を混ぜて仕分けをする…等
最初は、ご利用者様の身体能力や認知機能に合わせて、準備をするようにしていましたが、あるご利用者様から「私に手伝えることはありますか?」
と、お声かけ頂いた時にハッと気付きました。
生活リハビリを行なう上で、提供することばかりに目がいってしまい、形にしようと必死になっていたのは私の方で、ご利用者様がご自身から率先して、考えて行動することの大切さと、介護士の本来の目的である一緒に暮らす事の意味を学びました。
仕事であったり、家事や育児においての家族としての役割や社会的な活動から離れ、必要とされない寂しさや、孤独感を感じた時に、自ずと、生きる意味を探してしまいます。
それは、物があることやお金があること、物質的な豊かさではなく、人と人との繋がりであったり、誰かの役に立てる、必要とされているという心の充足感に生活リハビリの本来の持ち味があるのではないかと思います。
人と人との繋がりが出来ると、洗濯物が綺麗に畳めなくても、身体能力的に干すことが出来なくても、お互いを責めず、苦にすることもなくなりました。
そうなっていくと良いことばかりで、お話しをしながら洗濯をする。お話しをすることで嚥下機能の低下を予防し、二つのことを同時進行しているのでマルチタスクになります。やれることは無いかと探される目線になると自然と姿勢も良くなり、日中のうたた寝も減り、活動量が多いので昼夜逆転の予防にもなっていきました。
洗濯だけで長く書いてしまいましたが、次回はその他の生活リハビリについても書き記していきたいと思います。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
1人でも多くの良い介護士さんが増えますように。
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