介護士目線の生活リハビリ~裁縫編~
こんにちは、白紫菖蒲です。
今回は、介護士目線の生活リハビリ裁縫編をお話していきたいと思います。
介護施設を利用される方の平均年齢はだいたい、80歳から90歳の方が多く、「花嫁修業」として洋裁や和裁、編み物、茶道、華道を習われた方が多くいらっしゃったと思います。いわゆる、「所作」を学ぶ場所として習い事がありました。
戦後になると「物が無い時代」になり、大人の着物をほどいて子供用に作り替えたり、サイズの小さくなったセーターを編み直してサイズアップをする等、生活の一部に裁縫がある時代をお過ごしになられていたと思います。
介護士目線の生活リハビリですので、今回は、私が実際に現場で行っていた裁縫をするための準備と、方法のご紹介をしていきたいと思います。ご利用者様の身体能力や認知機能によって左右されますが、環境を整える事で能力の違いを埋めることは出来ます。
(1):針と糸は太めが良い
裁縫の得意な介護士さんがおりましたので、準備はお任せしていましたが、目が見えにくいご利用者様が多くいらっしゃいましたので、針は布団針のように太く長く、糸も太めが使いやすいです。
(2):指抜きと糸通しは必須アイテム
糸通しは、私も普段から使いますが、指ぬきも同じように使われる方が多いので、数の確保はしておいた方が良いと思います。
(3):針に糸を通しておく
ここで詰まってしまうことが多いです。本来の目的は、縫うことなので、針に糸を通して置いてください。そこさえクリアすれば、スルスルとミシンのように縫われる方もいらっしゃいました。
(4):布と糸は違う色で
同色だと縫った跡が見えにくいので、違う色をオススメします。
(5):目印になる線を引く
スルスルと縫える方は良いのですが、真っ直ぐに縫えない、自信が無い方には、目印になる線を引くと良いと思います。雑巾を縫う時に重度の認知症の方にお願いをしていた時は油性のマジックで目印線を引いていました。
(6):使用目的を伝える
ここが結構重要だったりします。ただただ縫うだけではなく、縫っていただく物はこういったことに使いますとお伝えした方がやる気もアップします。
(6):適度な休憩を
お針仕事は同じ姿勢で作業を続けますし、完成が近いと頑張ってしまわれるので、適度に休憩を入れて無理のないように楽しく続けてください。
(7):使ったあとは数の確認
針は非常に危険ですので、使ったあとは数を数えて不足がないかを確かめて下さい。ハサミも同様です。
あと、手元の明るさや、老眼鏡の有無も大事になってきます。メガネ型のルーペがあると便利だなと感じました。
裁縫の生活リハビリを始めて、すごく感動したことは、ミシン目のように一定の距離で綺麗に縫われる事と、糸を最後の1センチまで使い切る事でした。物が無い時代を過ごされた方だからこそ、物を大事にすることを教えて頂きました。
既製品にはない手縫いの温かさや、字を書くことより針を持つことで他の方とのコミュニケーションが活発になられる方もいらっしゃいました。
もし、目の前のご利用者様に何か出来ることはないかと思われたら、もう着ない服のボタンを外して頂くようにお願いしてみてはどうでしょうか。
介護士目線の生活リハビリは一旦終わりにして、次回からは介護のキホンについて書き記していきたいと思います。
本日も読んでくださり、ありがとうございます。
1人でも多くの良い介護士さんが増えますように。
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