小説風に考えてることをまとめてみた
小説風に考えてることをまとめてみる
心のもやもやを小説っぽく書き出してみる。自分A、自分Bみたいな会話形式にしてみると、とくに解決はしないけどなんとなく考えはまとまる
⚠️突然ですがやってみてます。ご注意ください。
「どうしたものか……」
自分Aはため息をつきながら、冷蔵庫を開けた。ひんやり涼しい空気が流れ出て、腕にしっとりとかいた汗を撫でる。野菜にお豆腐にお肉、それなりの備蓄で潤う中に顔を突っ込んでみる。サランラップのかかったカツが並ぶ皿を視界に入れた。うぐ、と表情をゆがめて、冷蔵庫をそっと閉じるーーこの意味のない行動を、かれこれ三度は繰り返していた。
「なんで揚げちゃったのかな……カツなんて」
食べなきゃいけないのに。まったく食欲がない。自分Aは冷蔵庫の前でうなだれた。昨日の自分の気持ちが分からなかった。独身一人暮らし女の身の上、揚げてもせいぜい二個くらいしか食べられないくせして、六個も揚げよってからに。つくづく己の「まあいけるっしょ!」精神に嫌気が差す。いつだって明日の自分任せなのだ。
「でも昨日は確かにカツの腹だったし……」
「だからって食べきれない量作んなくてもさあ……」
横から拗ねたように口を挟んできた昨日の自分ーー自分Bに、自分Aは文句を垂れる。この茹だるような猛暑でバテる中、昨日の夕飯はどういうわけか久しぶりにちゃんと腹が減った。腹が減ったぞー!!と全自分がお祭り騒ぎになって、ここぞとばかりにスタミナがつきそうな一品を仕上げてしまった結果がこれだ。今はカツなんて、鬼絡みしてくる酔っ払いの父親くらい見たくもない気分だというのに。いつもの夕飯タイムはとうに過ぎている。しかし何かしらの栄養摂取を余儀なくされている自分Aは、投げやりな様子で冷凍庫を開けた。
「もういーや、今日もうどんにネギで」
一人暮らしの心強い味方、冷凍うどんさまの袋に手を伸ばした。その手を自分Bが掴んで止めて、焦った様子で言う。
「だめだよ栄養取らなきゃ……!」
「でも今カツなんて食べたら絶対吐く…!」
「せめて野菜摂りなよ、香味ペーストとかで炒めて」
「生理重くてめんどすぎてそれすらも嫌……そして火に近づきたくない……暑い……」
「元気な時に作り置き忘れるからいけないんでしょ、そんなことしてるとどんどん老けるよ。超ズボラごはんとか探したら?」
「んー……わかった……。あ、そうだ」
やる気なくスマホを手にした自分Aの脳裏に、とあるアプリが浮かんだ。
「ラムネにないかな。いい感じにゆるいやつ」
トン、と目当てのアイコンをタップした。ラムネーーそれは、気分を少し変えられる“ゆるケア”が集合した、セルフケアアプリである。ゆるケア。と名を冠しているだけあって内容は本当にゆるい。ユーザーがやっている気分転換の方法が自由気ままに投稿されているので、「〇〇を食べました!」みたいなもはや日記みたいなノリのものもある。中にはへー知らなかった…!と新たな知見を与えてくれる博士的ネタや、この人すごい…!と目を見開いてしまうびっくりネタもあるが、どれも思わずのほほんと表情をほころばせてしまうような癒しに溢れている。これやってみようかな。と試してみたくなるネタに最速で出会える、優良なマッチングアプリなのだ。
「お、これいいな」
自分Aがアプリの検索窓に“食欲”と入れて検索すれば、いくつかヒットしたゆるいご飯ネタ。ざっと並び出る写真とタイトルでなんとなく内容がわかったりする。自分Aが今欲しているのは丁寧で詳しいレシピの手順ではない。ネット検索をせずにこのアプリを使う理由、それはインスピレーションを掘り出すのに使い勝手がいいからだ。自分Aはひとつ、目に止まった投稿をタップして読んだ。
切って和えるだけシリーズ第2弾😋✌️
切って和えるだけシリーズ第2弾❣️ミニトマトとらっきょうの甘酢漬けを切って、らっきょうの甘酢で和えるだけ。暑い夏の食欲増進にいいですよ。もちろんお酒のアテにも😋✌️
「あ!ミニトマトないけどどっかにらっきょうあったことない?三月くらいに買ったやつ!確かカレーのお供のさ」
「あった気がする……どこだっけ……」
自分Bの明るい声を受けて、自分Aはもう一度冷蔵庫を開いた。完全に記憶の彼方にあった食材だが、いつかのときに食べ残していたような気はする。ヨーグルトやささみのパックをかき分け、上から二段目の奥の奥を探るとーー
「あった!まだ結構残ってたじゃん。日持ち食材グッジョブ」
自分Aは見事、密閉容器にコロコロと沈むらっきょうたちを発見した。諸説あるが、らっきょうは開封してから半年くらいは保つのである。これなら食べれるかも。自分Aの表情が少し明るくなった。
「この甘酢になんか和えたらいいかな。トマトの代わりは……」
「パプリカがあるじゃん!赤いしトマトみたいなもんでしょ」
自分Bが適当なことを言いながら、ラップに包まれたパプリカの残りを取り出した。自分Aはケトルに卵を一個突っ込んで湯を沸かしている間に、ちゃっちゃとパプリカを切り刻んだ。何事も初動だ。億劫な作業も、始めてしまえばついでの精神でこなせる。炭水化物ポジションにはやはり冷凍うどんさまを召喚しよう。あとはどうしようか。さっき目についたヨーグルトとささみも取り出してみる。ささみはレンチンすればいい。
「なんかあった気がするんだよなー……ヨーグルトの、なんか」
酒を振り撒いたささみをレンジで回しながら、ラムネアプリのお気に入り欄を開いてみる。スクロールしていくと、うろ覚えだったネタが顔を出した。
アイランをつくる
ヨーグルト150ml水100ml塩少々と氷をタッパーにブチ込んでShake Shake!食事のお供用のおいしいヨーグルトドリンクでござーい。
そうそうこれ。自分Aはさっそくヨーグルトと材料をタッパーにぶち込んで、ストレス発散と言わんばかりに振りたくった。生理痛どっかいけえ!自分Bはその荒ぶりを楽しそうに見ていた。
自分Aは食卓に移動した。氷の世界から解き放たれたうどんさまに、麺つゆと少量のお水をかけさせていただく。そこにささみとゆで卵を従者を宛てがうかのように添え、生姜チューブを円状に力の限り絞って冠を戴かせ、福々たる手つきでネギを降らせた。そして声高に言った。
「今日のゆるケアメニュー!」
お品書き
・ささみとたまごとネギのつゆだく生姜うどん
・パプリカとらっきょうの甘酢和え
・アイラン〜バジルを添えて〜
「料理ジャンルは謎だけど、メニューの字面はそれっぽい!やればできるじゃん自分A!」
自分Bは自分Aを褒めちぎった。ほんの些細なことでも、つらいときに少しでも頑張ったのなら褒めてなんぼである。
「へへ。かなりヘルシーだけど、最近太り気味だったしまあいいよね?こんくらいは食べとかないと、明日仕事にならないから……いただきます!」
自分Aはパキンと割り箸を割って、パプリカとらっきょうの甘酢和えに手をつけた。いい塩梅にしょっぱくてお酒が欲しくなる味だった。食べ始めれば食欲が少しずつ湧いてくる。らっきょうたちをなんとなくメインのうどんにぶちまけて混ぜて食べてみたら、もっとおいしかった。自分Bはどこかに消えてしまって、一人きりのごはんだけれど、ちょっぴり笑顔がこぼれた。
「明日も頑張るぞー」
冷蔵庫に残されたままだったカツは、おもむろに冷凍庫へ移動させた。……三週間くらいは、保つだろう。その間に食欲が向くことを願って。明日の自分、よろしく頼む!
***
夢中で書いたら長くなってしまいましたが……ヤマとかなくてもなんか書ききった気になれますね。自分の脳内会話の文字起こし、思いの外楽しかったです😋編集部のHでした!それではまた👋
今回取り上げたゆるケアは「ラムネ」にて掲載中!
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