通信将棋の記録について

将棋盤はいつも私の机の上にありました。
折り畳み式にもかかわらず、蝶番は壊れ、代わりにガムテープの補強。
いやいや、それもまた味。
木の感触も、駒音も一番これが好き。
そんな思い入れの塊に、局面を並べ毎夜うんうん唸る寂しい人の姿が……

通信将棋での連勝が30に達しました。
約1年半、楽しかった記憶、苦しかったこと、よくよく考えると後者の方がだいぶ多かったような気がします。そんな30局通しての感想と感謝をだらだらと。

”30連勝”は一つの目標。藤井聡太さんでも29。私も百鍛将棋でも29、81道場は15が限度でした。
まだまだ伸ばしたいですが、許されるかどうか。

そもそも、こんなに連勝できた理由について
運が良かった、は一番大きい要因として、持ち前の執念と棋風に拠るところなのかもしれません。一手に数時間~日を消費する姿勢、深く読むほど応えてくれる自分の将棋が上手くかみ合ったと思っています。

Ponanza時代に「読みでは勝てない、評価を鍛えるしか……」とソフト的に棋風を改造してから序盤も将棋もほとんど変わっていません。
相手より先に優位を感知でき、長時間の考慮で逆転リスクを押さえられたこともそう。培ったフラットな評価が弾き出した優位度を目安に手を読むことができたことは独自の強みかもしれません。

要は複数の要因が積み重なっての僥倖。
指した方からは必要以上に強く見られてしまっているような気がします。
皆さんとそんなに変わりませんわ!

相手が誰であれ、勝ち方がどうであれ、
三十局に一局だって温い対局はありませんでした。
優位を取りにいくときも、不利から挽回するときも、トドメを刺すときも、常に苦しみと気持ちよさが隣り合わせ。
全部が自分の将棋の骨肉になっているような気がします。

30局の間にウォーズの昇段がありました。
間違いなく通信将棋のおかげ。
ただ、最近は集中が続かない上に過去一のスランプから一手一手がギリギリで。30局の後半は、斬れば斬るほど切れ味は落ち、最後の方は刀で殴りつけてなんとか勝っている、といった感覚。

復活のヒントは誰かに貰ったような気がするので、
通信将棋の一局一局に藻掻きながら答えを探していくしかありません。

改めて、指してくださった皆さんに多大な感謝を。
よろしければ、これに懲りずにまた付き合ってくださいな。

それでは、また盤上で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?