殺陣サムライパフォーマー刀屋壱の舞台映像を見た。平和になって失業したサムライ
友達が舞台音楽を作っていて、殺陣(たて)というのを見る機会があった。それまで殺陣という言葉を知らなかったし、漢字も読めなかった。殺陣って「殺す」って漢字が入ってるからちょっと怖い。
演劇、映画、ドラマで俳優が演じる格闘シーンだと書いているけど、チャンバラという人もいるから、主に刀で戦うことだと思う。
サムライパフォーマー刀屋壱
見たのは、刀屋壱さんの「慶次-CAGE-」という舞台。刀屋壱さんは殺陣パフォーマと名乗っていて、カタナヤイチと読む。世界中でサムライショーをやっている。
「慶次-CAGE-」は前田慶次を主人公とした20分ぐらいのオリジナルショー。新宿公演の映像を見たけど、いまいちわからなかった。主人公の前田慶次はなんとなくわかる。北斗の拳を描いていた原哲夫が描いた「花の慶次」の漫画を読んでいたからね。豪快で強い槍使い。それが前田慶次のイメージです。読み返したい。
ただ、他の登場人物との関係や時代背景がわからない。日本人がわからないのに外国人が見てわかるのかなと思った。それで、ウェブサイトにアクセスしてストーリーを読んだ。すると、平和になって失業した武士の時代の話だった。
慶次-CAGE-
強いヤツが偉いサムライ時代から金持ちが偉い商売の時代へ
領土拡大の時代は、強いやつが偉かった。だから、みんな剣を磨き強さを求めた。強い男がモテたのでしょう。でも、平和な時代が来て、争いがなくなると、剣の価値はなくなる。強さより金、経済力の時代だ。そこでサムライは職を失った。商人になるものもいれば、時代に抗ったものもいるでしょう。タイはまだ争っていたので、傭兵として海外に行くものもいた。平和になって失業したのがサムライ。時代の変わり目ですね。
前田慶次はそんな時代を生きた武将。戦いから足を洗った慶次は、槍を封印して放浪の旅にでる。世の中には行き場を失った野武士がいて、弱い農民はその被害者になっていた。慶次がある村に立ち寄ったときの物語。それが僕が見た「慶次-CAGE-」というサムライショーです。
時代には変わり目がある。芸能だって同じ。舞台からテレビ、そしてYouTubeにシフトしていってる。経済力の時代の前は、強さの時代があった。それがサムライが活躍した時代です。
バカボンドを思い出した。バカボンドは井上雄彦の宮本武蔵を描いた漫画。これも失業した武士の話です。
時代背景がわかったので、同じ舞台の海外公演をもう一度見た。そしたらすごい面白い。
知識があると物事の見え方が変わる。日本のサムライ文化は複雑ですね。それを海外に発信するのだからめちゃ面白い。
舞台ビジネスはコスパ悪そう
刀屋壱さんは毎年舞台を作って、練習して1年かけて公演するそうです。制作は同時進行のようで、最初新宿で公演をしていたとき、まだ友達の音楽じゃなかった。その後、海外公演の映像では、音楽が変わりエンディングが追加されて雰囲気が変わっていた。音楽でかなり印象が変わる。エンディングがカッコイイ。
刀屋壱さんが大切にしているのは物語。日本のサムライスピリッツだそうです。毎年舞台を作るって壮大なモノ作り。ブログを見たら面白かった。楽しそう。
舞台音楽の制作裏側も面白い。
しかし、何ヶ月もかけて舞台を作り上げて、公演したら終わり。舞台って大変。ビジネスとしてはコスパが悪そうですね。
慶次の他には、「狐火」という忍者とサムライの戦いの話。石川五右衛門を描いた「五右衛門」という舞台もあった。どれも面白いテーマ。日本人としてサムライの歴史は知っておきたい。サムライとはなんなのか?忍者とはなんなのか?なぜ切腹するのか?うまく説明できる自信がない。外国人と日本文化の話になったときに英語でうまく説明できるようにしておきたい。