あなたは読んだものに他ならない
「読む贅沢 私は本と旅に出る 6社合同フェア」という棚の前で、私は足を止めた。普段、あまり目にすることがない本ばかりが並んでいて、どの本も魅力的に映った。読みたいと思った時に買わなければ、もう読みたいと思った本のタイトルすらも忘れてしまいそうで、6冊の本を買った。
その一冊である服部文祥『You are what your read.あなたは読んだものに他ならない』を読んでいる。
私は読んだものに他ならないというタイトルを目にし、数年前に読んだマーク・トウェイン『人間とは何か』で読んだ一節を思い出した。数年前なのでうる覚えだが、あなたの意見は、誰かから聞いた意見でできているというような内容だった。意見は、直接出会った人から聞いた言葉であり、映画で出会った言葉であり、本を読んで出会った言葉であるから、人との出会いのように、数ある映画の中から、本の中から、何かしら感じるものがあって、手に取る。出会った人に影響を受け、映画に影響を受け、本に影響を受け、それらが幾重にも折り重なり、私ができあがっているから、確かに、私は読んだものに他ならないのかもしれない。
『You are what your read.あなたは読んだものに他ならない』の「はじめに」
がいい。あなたは食べたものでできているし、読んだものでできているという話なのだが、「はじめに」を読んだあと、スーパーで、買い物する基準が、単なる安さだけを求めるだけで良いのか、と初めて疑問に思うことができた内容だった。
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