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入試改革とAO入試

前回の記事の冒頭に、話したいことは2トピックあるので今回と次回で、と書きました。今回はその続き、2トピック目です。入試改革とAO入試(正式には2021年度入試から「総合型選抜入試」と名称が変更となりますが、ここでは全て「AO入試」と表記することとします)について。

とりあえずインスタで答えたやつ載せときますね。

基本的に僕は入試改革には反対です。
「思考力が必要だから入試を変える」
「英語力が低いから4技能に」
ってのは安直すぎる。アホか?って言いたい。先に指導要領変えろよと。
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そしてAOに関しては賛成派です。
多種多様な人材がいる中で、それぞれの能力を評価するために、入試方式を多様化するのは、これからの時代の流れを考えれば良いことだと思います。もう偏差値だけで能力を見る時代はとっくに終わってます。(これも勉強が要らないと言っているわけではない)
したがってAOの拡充はいいと思うのですが、国がトップダウンでやることじゃない。せっかくのいいものも制度化した途端に腐る。「AOのために」とか言い出すとんちんかんなやつが出てくる。順番逆だっつーの。
だからこういうのは必要と思うなら各大学が勝手にやればいいこと。そもそもAOってそういうもんでしょ?
その点、慶應なんかはとても先進的だし、態度がはっきりしている。そして、AOの一芸化(学力が伴わないこと)を防ぐために、独自の学力試験を科している。これも素晴らしいと思っています。

まあこれは今の僕の意見をうまく凝縮した感じですね。

英語の民間試験導入に関しては、下村前文部科学大臣が圧力をかけたという記事も出ています。日本の英語力が低いのは否定できない事実だと思いますが、改革のやり方と方向性が甚だ間違っていると僕は思います。彼らは、入試を変えれば教育が変わる、と言っていることになります。しかしこれでは「受験ベースでの勉強」を公式に認めたということになってしまいます。これで良いのでしょうか。一体何のために学校で勉強しているのか。これでは学校で勉強する意味がなくなってしまいます。とっとと予備校に通ったほうが良い、という話になります。予備校は受験のプロですから、受験ベースならその方がいいに決まっています。でも僕はこれは間違っていると思います。学校があった上で、プラスアルファの予備校でしょ?

これを大の大人が本気でやっているのだから、本当に現場を知らないんだろうな、と思ってしまいます。じゃなかったらよっぽどのアホですよ。

もう僕は怒っています。こんなやり方と方向性が間違っている上に、さらに入試の1年前に急に試験を変える(民間試験導入見送り&共通テストでの記述式見送り)。ありえないでしょ。改革することが目的になってしまって、本来の目的を見失った結果、とりあえず急いで作ろうとしてしまった。これが見え見え。もう受験生舐めてるとしか。というか受験生もだけど先生や予備校講師、出版社も可哀想。受験業界大ダメージ、全てこれに振り回されてますよ。彼らはこのこと分かってるのかな。

まあこれに関する愚痴は今回はこの辺にしておいてまた今度ぶちまけます。

興味深い記事貼っておきますね。

https://www.asahi.com/articles/ASMDF6F95MDFUTIL06B.html 

https://news.goo.ne.jp/article/dot/nation/dot-2020031700058.htm


続いてAOについて。

まあこれも上で書いたことが全てです。ものさしはいっぱいあるべきです。トップダウンのくだりはこの件に限らず、いろんなこと(特に教育関係)に当てはまると思います。

僕はAOと一般両方受けた身なので、両方の良いとこ悪いとこ、AOが持つリスクなどについてある程度分かっているつもりです。長くなるのでこの話はまた今度にしようと思いますが、1つ言えることは「一般入試は極めて平等である」ということ。点数で全てが決まるんです。一見すると薄情なようにも見えますが、得意不得意あるとは言え、入試に向けてちゃんと勉強して試験で合格点を取れば受かるわけです。誰にだって権利があります。チャンスがあります。そう考えると一般入試は全く持って悪なんかではないわけです。これは実際にやってみて思いました。AOっていまいち評価基準わかりにくいですから。


そしてAOについては受験生側に1つ言いたい。

攻めのAOであれ、と。

これは僕の友人も言っていました。

AO枠が拡充され、世間的にもAOの地位が上がっていくからと、AOでの受験を希望する人が増えているそうです。「自分の今までしてきたこと、持っている能力を最大限に生かそう!!」という方向性なら良いのですが、「一般入試、受からなそうだから」とAO入試での受験を希望する人もいるみたいです。ただこれではAOが逃げのツールになってしまっています。AOはそんなに甘いもんじゃありません。こういう人は多分落ちます。それだけじゃない。AOの準備をしたせいで夏明けまで時間をとられ、一般入試の準備をする時間が確実に減ります。AOと一般の準備を同時並行でやるのは無理だと思った方がいいです。これでは一般入試はより厳しくなります。賢明な判断とは言えないのはわかりますね。これがAOのリスクなのです。

だからこそ、AOを受ける人には「攻め」の気持ちでいてもらいたい。攻めた受験をしたならば、結果の如何に関わらず、その人にとって必ずや実りあるものになるでしょう。そしてそれこそがAO入試の真価なのです。

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