セルフマネジメント事始め9
<NAVIノートの広がり>
平成20年3月、これらの取組について東京で発表の機会に恵まれた。いくつかの学校から問い合わせがあり大いに興味を持っていただけた。
その中の一人が福岡の高校で進路指導主事をされていたS先生だった。私の提示したコンセプトをもとにS先生はさっそくセルフマネジメント習得のための手帳作りに取り組まれた。当初は私たちと同じNAVIノートを試されたが、後に業者と高校生用の手帳を共同開発をされたと伺った。それは一週間見開きバーチカルタイプの手帳で非常にコンパクトでスマートなものだった。
その年の四月に校内の異動がありNAVIノートの旗振り役を降りることになった。それに従い校内での全員配布は一旦、見直すことになった。予算に限りがあり大量のリフィルを手作業で作るのも大変。校内での使用率も個人差が大きく仕方のない所もある。私自身の思い入れが強かったし少々強引な所もあったかもしれない。
<NAVIノートの長所と短所>
ここであらためてNAVIノート(A5版6穴システム手帳)の特徴を挙げてみたい。
まず一番の長所はすべてのデータを一括管理できるところ。A5サイズであることによりA4で作られた資料を簡単にストックできる。
またA4用紙に様式をデザインすればいくらでもオリジナルリフィルを自作できること。用途に応じて自由自在で、これは大きなメリットだ。
短所は何より重くて大きいこと。ポケットには入らない。また枚数が増えるとすぐにパンパンに膨らんでしまい収まりが付かなくなってしまう。
なお手書きであることは長所であり短所でもある。すぐにメモできるし書いてあることがすぐ分かる。何より思考やヒラメキにすぐ対応できるスピード感がある。しかしその中から情報を探すには自分でめくっていかねばならず簡単に検索はできない。
これらをあらためて見返して、やはり高校生たちにセルフマネジメントを習得させようというコンセプトは非常に価値のあることだったと思う。
<スコラ手帳>
平成24年度の異動により現任校に赴任した。その際、こちらでも数年前から既にセルフマネジメントを習得する目的で生徒たちに「スコラ手帳」を配布していることを知った。
採用されていたのは一週間見開きバーチカルタイプ。福岡のS先生が作られたものと同じデザインのものだった。やはりこれか。
https://www.noltyplanners.co.jp/schola/schola-program/product/notebook-basic/
スコラ手帳はビジネス手帳メーカーとして定評のあるNOLTY(能率協会)が中・高星用に開発したもので、とてもスリムでポケットにも入る。中にセルフマネジメントを身につけるための丁寧なマニュアル(手帳の使い方)が掲載されており、その思想を学びやすい。
私はそれをめくりながら、正直もうこれで十分だなあと感じていた。分厚く大きなゴツいシステム手帳の時代は終わった。なぜならスマホが普及し始めたからだ。(続く)