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部下育成に悩む人を応援📣【指導】と【褒め】は両立する

管理職研修というのは秋に多い。
春先は新入社員研修などが多くなり、
6月に株主総会を抱える企業は多く、
お盆を越えてちょっと落ち着いた時期にわりと多くなるようです。

この時期、「部下育成の方法がわからない」というご相談を受けることが多いです。

このようなご相談をしてくれる管理職の方に共通なのは、
これまでやってきた現場の仕事が大好きで誇りを持っている。
できればまだまだやりたい。
入社してから先輩の仕事をみて覚え、自分なりのやり方を確立してきた。

自分は叱られながら学び
主体的に先輩を見て学んできた。
それが「育つ」ということじゃないのか?

「育てる」ってなんだろう?

という思いを多かれ少なかれ持たれています。

管理職になって会社から「部下を育成せよ」と言われても
「一体、何からやったら良いのか?」と悩んでしまう方が多いのです。

管理職の仕事は2つです。

部下を育成すること。
会社の業績を上げること。

部下育成をしないと、会社はできる社員の年齢とともに廃れていってしまいます。新人や中途採用で入社してきた仲間を、会社が成長するために働く力に変えるべく「育成」することなしには、会社は存続しません。

会社の業績を上げるためには、
新しい売上を立てることと、無駄なコストを削減することに集約されます。

シンプルですが、まちがっていないところだと思います。

さて。
今回は、育成方法がわからないと悩まれている管理職の方を応援。
部下育成における「褒めること」と「指導すること」について書いてみます。

ライン

【指導】と【褒め】は両立する

先輩から褒めてもらったことはないけど、
厳しくしてもらったからこそ今の自分がある。

そんな意識を持っている人にとっては、
最近、注目を集めている
上司と部下の1対1面談(1on1)や
関わり方の教授本に書かれていることが腑に落ちないかもしれません。

部下に寄り添う、
話しやすい雰囲気をつくる、
何でも言いやすい信頼関係をつくる、

などと聞いたら、違和感がモリモリ湧いてくるかもしれませんね。

褒めたら人の成長はそこで止まる。

そんな気持ちすらお持ちの方もいるかもしれません。

褒めるのは、部下のやる気や「こうなりたい」という情熱を燃え続けさせるためのエネルギー源の一つです。

そして、適切な”褒め”
指導の際のあなたの言葉にパワーを持たせます。
あなたの言葉が、相手にスーッと染み込むようになるのです。

人は、何を言われるかという内容によって耳を開くか、心に留めるかを判断するより先に、「誰に言われるか」によって耳や心の開き方を判断しています。

シンプルに表現しすぎるかもしれませんが、
好きな人の言葉は届く。
嫌いな人、苦手な人、いけすかない人の言葉には耳を開かない。

これが本能的な反応です。

「嫌われても構わない、正しいこと、相手のためになることは言う」という筋金入りの上長(個人的にはキライではないw)に出会うことがありますが、残念ながら、
相手に受け止められないものは、
いくら良い指摘であっても、相手のためにならない。

受け止められていないからです。
「馬耳東風(ばじとうふう)」状態。

言うだけ無駄。労力の無駄づかい。
ひいては若手を育成したいと思っている組織の目指す方向に寄与しません。

【指導】の浸透力を上げる”褒め”

上長の言葉を部下に染み込ませるためには、適切な”褒め”が有効です。

では「適切な褒め」とは何でしょうか。

相手が「そこ嬉しい」と思うことを、承認することです。

そのためには、まず、部下を普段からよく観察していないとできません。

部下をよくみてください。

具体的に
✔️ いつ、どんな場面で
✔️ 部下がした行動
✔️ それによってどのような良いことが起きたのか
✔️ その行動は素晴らしいとわたしは感じたことを率直に伝える

ことが必要です。

友人や家族との会話を例にあげましょう。

この間、財布を無くして困っている時に、
焦っているわたしに寄り添って、行動を思いおこすのを手伝ってくれてありがとう。大事なクレジットカードや社員証が入っていたので、本当に焦ってまともに考えることができなかったわたし。忙しいだろうに手を止めて付き合ってくれたお陰で見つかった。ありがとう。

いつ、何をしてくれたことに対して、「わたし」はどう感じたのか、どう助かったのか、伝えて「ありがとう」を言いますよね。

部下指導における『褒め』は、実はこれと同じです。

影で努力したこと、
誰もみていない小さなことだけど資料のコピーを工夫して行ったこと、
誰もが諦めかけていた時にもうひと踏ん張りしようと働きかけたこと、
面倒なことをコツコツ実直にやり遂げたこと、
失敗したけど、学んだことを活かして次への準備をしていること、

大きなことでなくても全く問題ありません。

部下は自分をそこまでみていてくれる上司の言葉には、耳を開きます。

目指すは【自分で考え判断し行動できる】後輩をつくること

上長の役目は、部下育成と言いますが、
育成する以上、「目指す姿」が必要ですね。

会社における部下育成の「ゴール」は何でしょうか。

それは

自分で考え、判断し、行動できる力をつけることです。

そして、考えは自由奔放でいいと言うわけではありません。組織の一員として、会社が目指す方向に前進するためにどうしたら良いのか、これがいつも思考の土台に必要です。

そんな思考を部下が一人でできるようになり、
現場、現場で、時事刻々と起きるさまざまな課題に対して、
しっかり思考し、判断し、最適な行動を自ら行うことができる、

そんな人材にすることが「ゴール」です。

部下が、打ち上げられたロケットとしたら、
上司は「管制官」です。

ちょっとズレてきてるよ。
ちょっと出力が上がりすぎだよ。
いい軌道だ!予定通りだ!素晴らしい!

など見ていてあげて、フィードバックをする係です。

ロケットは、行動してみて、
それに対するフィードバックをもらうことで、
安心して、適切な修正を加えながら、
大気圏を突破していくのです。

上司の見てあげるチェックポイントはこんな感じです。

✔️ 経営が目指す方向と一致した行動になっているか

✔️ 事実を捉え、目指す成果を出すために思考できているか

✔️ 何が最適か選び取れているか

✔️ 選択したことを行動に移せているか

です。

そして、部下(ロケット)からの話を聞いてあげて、
選び方がわからなければ、一緒に考える手助けをする、
行動にうつすときに、部署間の壁にぶつかって立ち往生していたら、
代わりに壁を動かす支援をするなど、
最も頼りになる”応援団長”を務めるのです。

✔️ 後輩の選択や行動が、チーム(会社や組織)の願いから外れていないか。
✔️ 優先順位があっているか。
✔️ 部下からは見えていないけど、経験があるからこそ、
 あなたからは見えている事実や知識・スキルを提供してあげる。
✔️ 役職上、肩書きが生きる場面があるなら惜しまず支援する。

部下を普段から「よく見てあげる」ことから始まります。
ロケットの飛行データを見ずに作業する管制官はいませんよね。

そして、いいぞ!と思うことがあったら
具体的に率直に「わたしは」いいなと思ったことを部下に伝える。
これが『褒め』です。

何でもかんでも、「いい子だね〜」「素晴らしいね〜」とやれということではないのです。逆に部下だってそんなことをされたら、気味が悪いか、バカにされている気分になりますよね。

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大澤 弘子 
日テレHR代表/企業の人材育成を支援しています。
サラリーマン応援📣ライフコーチ
「がんばり屋さん」「優等生気質の人」などが陥りやすい<キャリア迷子>を、コーチングやキャリアカンセリングの技法を用いて乗り越える支援をしています。独自の『ひき算キャリア』メソッド。

https://www.facebook.com/hiroko.oosawa.7/

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