【叱り方】に悩む人を応援📣主観を押しつけるのと相手の成長を信じる関わり方
前回は【褒める】ことについて書いてみました。
今回は【叱る】ことについてです。
褒めるのも、
「とってつけたようになるのは嫌」
「褒めて欲しいところにハマっているかどうか心配」
「褒めたつもりが、相手が気分を害することがある恐怖すらある」
などあって、なかなか難しいものですが、
輪をかけて難しいのが【叱る】ことではないでしょうか?
特に波風が立つので、面と向かって相手のことを指摘する、場合によっては改善を促すよう自分の考えを伝えるというコミュニケーション、日本人は苦手とする方が多いようです。
【怒り】と【叱り】のちがい
「怒り」は相手にとっても自分にとっては、役に立ちません。
「叱る」ことは、場合によっては、相手の成長や互いの人間関係を良化する可能性があります。
「怒り」は自分でも予測できない場面に遭遇した際に、不用意に湧いてくることがあります。それを社会的な意識によって抑え込んだり、目を背けたりしていると、結果的に自分の内部にストレスが溜まり、自分自身の「怒り」に振り回される事態に陥ります。
「怒り」とは、うまく付き合うことがまず必要ですね。
「叱り方」のポイントのまえに、まず、「怒り」との向き合い方をお伝えします。
【怒り】とのつきあいかた
「怒り」を持たない人間になりたい、とわたしも、子育てなどを通じてイライラしてしまう自分から抜け出したくて、よく感じていました。愛情を持って接していたり、相手のことを大切に思って向き合っていればいるほど、それに対する言動が相手から得られないとき、わたしたちは、悲しかったり、寂しかったり、憤りを感じたりして、「怒り」の感情を持つことがありますよね。
わたしが所属する日本青少年育成協会教育コーチングでは、「怒らない自分」になるためには、怒りを感じたときには「怒りをそのままにする」ということを伝えています。
抑え込むこともしない
目を背けもしない
ただ、あるがままに、自分のなかにわいている「怒り」を感じて、観察するように学びます。
✔️ 何にいちばん憤っているのだろう
✔️ 怒っている途中で、他のことにも波及して苛立っているなあ
✔️ 相手のマイナス面にフォーカスしているなあ
自分の感情の観察です。
また、カラダも観察してみようと言われています。
「怒り」の感情を持つと、
✔️ 脈拍が早くなっているなあ
✔️ 呼吸が浅くなっているなあ
✔️ 肩や腕にも力が入っているなあ
自分の身体状況の観察です。
これを続けていくと、突発的な「怒り」の感情は落ち着きを取り戻していきます。
そして、ココで一つ大事なことがあります。
「怒り」を感じた自分を批判しない。
✔️ 怒ってしまったなあという後悔や反省はしない
✔️ 怒るのはもっともなことで正当だと決めない
✔️ これからは2度と怒らないと決意する
反省も、肯定も、今後への決意も全部「なし」です。
いま「怒った」なあ。
以上!
既に1分前も1秒前も、通り過ぎた「過去」として
「過去に置いてくる」イメージです。
これを続けていると、本当に、急激な怒りをそのまま爆発させてしまうということがなくなってきます。
【叱る】ときのポイント
気持ちのままに相手の前にでないことです。
ちょっとだけ準備をします。
① 準備
まず、
何について叱るのか、ポイントを明確にする。
このとき、テーマにあげるのは1つだけにする。
あれもこれも一気に伝えても、相手には伝わりませんし、話が広がると、せっかく平静を取り戻していた「怒り」の気持ちが、自分の中で再燃してくるリスクもあります。
次に、
「叱る」観点をはっきりさせる。
例えば、
自分がやると決めて約束したことをやっていない
嘘をついた
など、何が、今回の具体的な「考え直して欲しい」ことなのか、ということです。ここが曖昧だと、叱られた方は、「結局、何が言いたかったのかよくわからない」ふわっとした説教?になってしまいます。
「叱る」観点は、あくまでも相手の人格や相手そのものではなく、
相手が行った具体的な「言動」にフォーカスしましょう。
準備の最後は、
「どんな言葉を使うか」を決める。
事実を伝えるのはストレートに、具体的に。
そこでの気持ちを伝えるときは、「わたしは、悲しかった」「僕は、ショックだった」という「I(アイ)メッセージ」を使うのがスムースです。
②「叱り」本番
コーチングでは、相手に届きやすいように、こんなことに留意します。
✔️ 相手も落ち着いているときに伝える
✔️ しっかり顔を見て、言葉をゆっくり伝える
✔️ 言い切ったら「叱った」目的を伝える
✔️ 沈黙(をこわがらない)
一度、言いきったら、言葉を重ねない、間を埋めようとしない
✔️ どんな気持ち?と相手に問いかけてみる
✔️ 聞いてくれたね、うれしかったよ、など「承認」を添える
「どんな気持ち?」と問いかけたら
「うざい」
と言われることもあるかもしれません。
それは、それで、「うん、そうか」とあるがママを受け止めてください。
どうしても「分かりました」というまで、
「ごめんなさい」というまで追い込む必要はありません。
きょうは届けたい言葉をちゃんと届けた。それでOK。です。
最後に
一人の母親として、子どもはあるときには「叱る」ことをしないと育たない、と考えていました。
でも、コーチングでは、人が育つために「叱り」は必ずしも必要ではないとしています。
わたしの実体験を一つ。
実務の中で、部下のお客様に対する振る舞いを見て、失礼に当たる気がしたことがありました。「注意して改めてもらわなくては」と感じたことがあります。
ただ、いざその部下と対面したときに、ふと「なぜ、その行動をしたのだろう」と興味が沸きました。もしかしたら、わたしには考えつかない、彼なりの意図があったのかもしれない。
だから、注意する前にそれを質問してみました。
聞いてみると、確かに一理あるかもしれないと思える回答でした。
わたしはストレートに「なるほど、確かにそれはあるかもしれない」と感じたことを伝えながら、当初わたしが感じた違和感を「逆に、こんなふうに感じてしまうお客様の場合もあるかもしれないと、ちょっと気になったんだよね」と伝えました。彼も、「なるほど」と受け取ってくれました。
「叱る」モードでガチガチに突入しなくてよかったなあと思った経験です。
本当に「叱る」必要があるときは、とても少ないのかもしれません。「こう見えたけど、どうしてあの言動をしたの?」という質問からの「対話」で解決できることも多そうです。
叱るのが苦手で叱れない。
という方は、無理に「叱ろう」とすることはなく、自分の感じたことを「I(アイ)メッセージ」で率直に相手に伝えることを始めるのが、自分にとっても相手にとっても、有効な気がします。
大澤 弘子
日テレHR代表/企業の人材育成を支援しています。
サラリーマン応援📣ライフコーチ
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詳細は、messengerでご相談ください。
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なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。