【伝える力】を構成する3要素📣頭のギャップ&心のギャップ
26歳のパワフルなサラリーマン男性。入社して3年目に入り自分が中心となってドライブしているプロジェクトも成長の兆し。上席の理解を得なくてはならないプレゼンも多くなってきた様子。
こんな悩みを話してくださいました。
僕はもともと、気持ちが先行してロジックが薄くなってしまう傾向があるんです。入社してからそんな指摘をしてくれる先輩にも恵まれて、勉強したり練習したり、徐々に論点、その根拠という整理ができるようになってきたと思っています。
先日は、なかなかシンプルに整った論旨でプレゼンができた手応えがあったのですが、全く理解を得られず、何がいけなかったのかと混乱しています。
プレゼンテーション。
社内外を含め、今もこれからもずーっとついて回るビジネスマンの基礎能力ですね。
プレゼンのみならず、自分の伝えたいことを他者に伝える、そこで理解をしてもらって賛同してもらうという力は、
自分の成長のためにも、営業マンとして成約をとるためにも、上司や同僚との人間関係をよくするためにも、仲間を集めるためにも、支援を得るためにも、とても重要なスキルですね。
避けては通れない。
相談者さんは努力家でもあり、自分で自分を見つめ直す内省の力も備えている将来楽しみなビジネスマン。でも、手応えを感じて出したプレゼンが、全く刺さらなかったと悩んでいらっしゃいました。
【伝える】には3つの力が必要
① パッション
② 頭のギャップを埋めること
③ 心のギャップを埋めること
とてもシンプルにいうと、伝えたいことを他者に伝え、【伝わった】ところまで持っていくには、3つの要素が必要です。
1つずつ解説しますね。
① パッション
「伝えたい」気持ちです。
ここには、感情としての「気持ち」だけでなく、これをやるとどんなワクワクする未来が実現できるのか、それを実現したいから伝えたいのだ!というWHYがしっかり存在しなくてはなりません。
ビジネスプレゼンにおいては、「自分がやりたいから」は大前提。でもそれだけではダメですね。
② 頭のギャップを埋める
シンプルにいうと、ロジックです。
実現したい未来、今よりよくなる明日のために、自分の提案が「もっともである」という論理的な説明が必要です。
問題点の指摘
理由の分解
理由のもとを作っている原因の分解
原因を解消する打ち手を列挙
打ち手の中から、今回、提案したいことに絞り込んだ理由
こんな要素が整理されて、初めて聞く人にも理解できるように並んでいる必要があります。理屈で「?」が生じてしまうと、そこから先に聴き手の意識がついてきません。質問が出たり、意図しない方向に興味を持たれてしまい、狙ったプレゼンを実現できなくなってしまいます。
ロジックはとても重要です。
相談者さんの場合、きっとこれは勉強や練習を重ね、できているのだと思います。
では、何がかけているのか?
きっとコレです。
③ 心のギャップを埋める
ここが一番、難しいことです。
聴き手の興味関心、現在のマインドがどこにあるのか?
ロジックで話を運ぶ中で、気持ちがついてくるかどうか?
人間は、頭で理解できても、気持ちが乗らないとOKを出しません。
頭も心も納得して一致できた時に、初めて「伝わった」というエリアに到達です。
相手の立場になりきって、自分がしようとしているプレゼンを客観的にみる力が必要になります。
✔︎ 用語は適切か
✔︎ 現在の聴き手の関心に結びつくポイントから入れているか
✔︎ 現在の聴き手と一緒にワクワクできる未来への提案にできているか
✔︎ 聴き手がOKするとどんなメリットがあると提示できるか
✔︎ 面白そう、任せてみたい、なかなかないチャンスかもしれない!と思わせる情報を届けられているか
✔︎ 聴き手は自分をどうみているか
「聴き手」はあなたではない別の人格です。
だから、完全に理解することは無理。でも、できるかぎり相手の立場を想像して、どこにもストレスなく、聴き切れるように想定しておくことは重要です。
採用試験で、「タピオカ」をみたことがないおじいちゃんに、1分で説明してください。という課題を出された企業があります。同様に「タピオカ」を飲んだことがなくても、女子高生に説明をしてください。と言われた時とでは、使う言葉、食感を伝える時の「たとえ」、食べてみるとどんないいことがあるか、など、プレゼン内容が全て変わってきますよね。
瞬間移動で「相手の立場」に立ってみて、自分のプレゼンがどう見えるのか、というのを話しながら観察して、対応していく必要があるのです。
大丈夫だろう、と思って使った比喩が、聴き手の表情を見る限り、どうも伝わってなさそうだ、、、と感じたら、「ここまででご不明な点はありますか」「お聞きいただいていて疑問に感じられたことなどはありませんか?」と質問を挟んでみるのも手です。
相手のことは究極はわからない。
かなり昔から仲良くしている相手であっても、そう、家族であっても、実は「そんな風に感じてたのー?!」と驚くことがあるものです。
相手の気持ちに「ギャップ」ができてしまうと、どんなに完璧な理論・正論も、伝わらなくなってしまいます。いや、正確にいうと、「伝わっているのだけど、納得が得られない」ということになりますね。
プレゼンするときに、相手を観察しながら、それに応じて対応していく力は、一朝一夕には身につきません。普段から、友人や家族をはじめ、社内の同僚や上司、部下と話すときに、意識して練習することで上手くなります。
最初は、ミスっても大丈夫な相手とのコミュニケーションを舞台に、練習しましょう。
後から「さっきの話、ここでちょっと<?>って思ってなかった?」など、振り返って答え合わせをしてもらうことも有効です。
この正解に、実は、完璧達人はいません。
どんなに上手なプレゼンターであっても、日々、これは経験と試行錯誤を積み重ねているものです。
踊りながら、俯瞰で観察。
打てる手を打って、常に少しずつ軌道を相手に合わせていく。
伝えたいパッションがあって、
ロジカルに構築されているものを、
相手の気持ちを想像して再構築する。
さらに、プレゼンのライブの現場で、相手の観察を怠らず、五感で感じ取りながら、できることを少しずつアジャストしていく。
これが一定レベルで揃うと、「伝えたい」ことが相手に「伝わる」ところに至ります。
あなたはどこが得意ですか。どこが不安定ですか。
意識して普段から活動すると、必ず今よりうまくなります。一緒に頑張りましょう📣
大澤 弘子
日テレHR代表/企業の人材育成を支援しています。
サラリーマン応援📣ライフコーチ
「がんばり屋さん」「優等生気質の人」などが陥りやすい<キャリア迷子>を、コーチングやキャリアカンセリングの技法を用いて乗り越える支援をしています。独自の『ひき算キャリア』メソッド。
コーチングやカウンセリングを受けてみたい方は、DMでご相談ください。https://www.instagram.com/hiroko_oosawa/?hl=ja