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1994iren_adler
【詩】まいど の 日々
あの一か月
声をかけてくれたのは
自販機だけだった
最初はコーヒーを買った時に
声をかけてくれた
まいど!
びっくりしてなぜか
空を見上げた
何日か経って
夜中誰も前にいないのに
声を出していた
おはよう! 今日も元気でな!
お前も壊れているのか
こちらからも
声を出してみた
まいど!
声が返ってくる
まいど!
ああ
生きていないものは
ひたすらに優しい
いくつかのつながりを断ち
心の温度を取り戻した頃には
自販機は沈黙していた
正しくなってしまうと
とてもつまらないことがある
ただ、自動的な二人
(「無責任」第六十一号より)
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