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【短歌】宇宙船

塊に巻き込まれてみたかった星になれない運命だから

人生の段差でいつもつまずいて死なない世界その完成度

数学の授業がいつもつまらないザナルカンドの夜に溶け込む

ふっかつのじゅもんをすべてやきすてたきみのうなじがしろかったから

雇われの戦士みたいな人生で君が勇者と証明しよう

缶コーヒーの大きさが倍ぐらいだったなら君に告白すぐにできるよ

感情は計算しなきゃわからない微分積分なにぶん気分

傷ついて傷つけられて気づいてく壊れやすさと壊れにくさを

静寂を夜の湖畔に逃がしたら明日の朝には大海の泡

自転車の切れたチェーンが繋いでる僕の地面と誰かの夜空

オリオンの自己主張が強すぎて君の光は僕だけのもの

自意識が暴走してる小指にも爪の長さがあると知った

新星をつないで描く鶏座コケコッコーも光速で五年

宇宙船一つも返事が届かないもはや誰かの惑星なんだ

宇宙船予約が取れずまだ地球最後の一人にまた近づいた


 SFと短歌の相性は何となく悪い気がしますが、それは評価の話で、書いている方は楽しいです。 

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清水らくは
大変感謝です!