熊本パンタグラフ03

【熊本パンタグラフ】6

市房ダム

 人吉から先、湯前も越えて水上村へ。大きなダムの中に、足場が見える。
 なんと、ダム湖の中に立てるのだ。そして、噴水が噴き上がる。
 ダムは、どこまでも人工的だ。そのくせ、自然の中にある。このアンバランスさが、どうにも魅力的なのだ。


滑稽だけど
こんな大きな水たまりから
こんな高い噴水が上がる
いつまでだって見ていたい
背徳感
どこまでも背徳感
ごめんね山々
いつまでも楽しんでしまうんだ


川尻

 熊本の中心街からもそれほどかからない。昔の雰囲気の残る街、そして船着き場跡。
 川には在来線と新幹線の橋が架かっている。水鳥が泳いでいる。帰り道、まんじゅうを買う。のんびりと、楽しめる街なのである。

酒蔵のある街には憩いがある
時間も空間も水もある
酒粕や漬物を買いたい
そういうものを知りたい


五木

 山道を奥へ奥へと進んでいく。このままどこまでも山が続くかと思っていたところに、突然綺麗で大きな橋が。
 ダム建設予定により多くのものが造られ、多くの人が移り、周りの山々はまだそのまま。山ならではのおいしいものがたくさんある。「迷い込んだ」感をじっくりと味わうことができる土地である。

初めてこの土地を訪れた人は
何を見つけたのだろう
何を残そうとしたのだろう
山のめぐみ川のめぐみ
実感するのにどれだけかかっただろうか
失うかもしれないものが
まだ残っている
私も実感してみたいのだ

つづく


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清水らくは
大変感謝です!