熊本パンタグラフ03

【熊本パンタグラフ】2

金峰山

 熊本市街地は、海に面していない。西に目を向けると、大きな山が。海との間に、金峰山はある。
 山頂まで車で登れる。が、歩いて登るのもなかなかいいものである。
 小説『草枕』を思いながら登るのもいいだろう。ちなみに車のない私にとっては、バス停から登山口までが意外ときつかった。登山靴とアスファルトの相性は悪い。
 山頂には鉄塔が。鉄塔好きにもお勧め。


登山口の鶏はそこから動かない
雀はたまに動くだろう
人は山中で止まれない
もっと山道のことを知りたいならば
何度も赴くしかない
幸いにも
山も動かない
金峰山は今日もそこにいる


動植物園

 水族館も動物園も好きだが、動物園には圧倒的なアドバンテージがある。入園料が安いのである。そして熊本のは動植物園である。植物園ものんびり歩くとそれなりに楽しい。
 動物たちは季節や時間によって異なった表情を見せてくれる。
 園のすぐ隣には、江津湖が。熊本市には湖もあるのである。

象の顔は見分けがつかないのに
サボテンの感情がわかるようになった
本当はサボテンが大好きなのか
前世がサボテンだったのか
とはいえ
サボテンの種類は覚えられない
象の種類は覚えた
白熊を見に行かなきゃ

三角西港

「魚釣り以外で行く人いるの?」
 昔通っていた美容室の店長が言った。とんでもない、景色だけでも最高ですよ。
 昔の形を残している港。ここから先は天草だ。カフェでランチを食べるのもいい。
 もちろん釣りをするのもいい。と思う。
 行きかう舟を見るのも好きだ。とにかく、のんびりと海を楽しめる場所なのだ。


一時間釣れない人がいる
子供たちは駆けまわっている
隣ではたくさん釣れている
目が合った
一時間海を見ている人がいる

ばれてしまったに違いない

つづく



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清水らくは
大変感謝です!