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憎いあンちくしょう
きょう2月10日からあす11日にかけて、愛知県豊橋市では「天下の奇祭」として知られる「鬼祭り」が行われます。
10日は「トムとジェリーの日」でもあり、獅子てんやさんとともに一世を風靡した昭和の漫才師・瀬戸わんやさんの命日でもあります。
11日の鬼祭りのハイライトでは、いたずらをする赤鬼を武神の天狗が懲らしめる神事「天狗と赤鬼のからかい」が行われます。
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1000年以上続くとされる天狗と赤鬼の攻防は、仲良くけんかを続けるトムとジェリー、獅子てんやにいびられた瀬戸わんやがムキになって怒る様子とどこか重なります。
大きくいえば3組とも、ライバル関係の名コンビなのです。
良きライバル関係を描いた落語に「笠碁」があります。
決別した碁がたきが、再び対戦したくてたまらないという思いが互いに抑えきれなくなり、雨の日にああだこうだと言い訳しながら再戦を楽しむ様子を面白おかしく描く噺です。
この噺に出てくる2人を談志と志ん朝に置き換える演り方がありまして、これがたまらなく面白い。ライバルって大事な存在だな、と思えます。
もっと俯瞰的に見れば、身近にいる嫌いな人も、自分に気づきや闘争心を与えてくれる場合があります。
広義も含めたライバルに今日あたり、心の中で感謝してもいいかもしれません。