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湯屋番の若旦那 は きっとイケメン!

『野田』と聞いて、、、

“洋次郎”を思い出す人は、好きな子と『君の名は。』を映画館に観に行った、カラオケではとりあえず『前前前世』を歌えば丸く収まると思っている世代。

『野田』と聞いて、、、

“琺瑯”を思い出す人は、webアプリでは『キナリノ』、雑誌では『リンネル』を愛読しちゃう「日々をていねいに」がポリシーの世代。

『野田』と聞いて、、、

「野田ちゅーたら、千葉の醤油の産地ぢゃろが?」と、思い出すよりも先に言葉が先に出てしまう人は、好きなあの人と『君の名は』を映画館に観に行った、“真知子巻き”が可愛らしかった元・乙女世代。




・・・えぇ。完全に偏見です。

言ってみたかっただけです。はい。





かくいうわたしが『野田洋次郎』と聞いて思い出すのは『RADWIMPS』ではなく、『100万円の女たち』

『100万円の女たち』は数年前、木ドラ25 で放送していた、ややサスペンス要素を含むドラマ。

5人の美しいワケあり女性とルームシェアをする、これまたワケありの冴えない主人公の話。その主人公の男性役が、まあなんとも見事にハマり役で、野田洋次郎氏に役者としての大きな魅力を感じた作品でした。


アーティストの野田洋次郎氏はよく知らないけれど、これが“素”の彼なのかもしれないと思わせるような演技。彼をキャスティングした人の審美眼を激しく褒め称えたい。

普段あまりドラマを観ないわたしが「終わってしまうのが勿体無い!淋しい!」と、最終回の日に強く思ったものでした。


この野田洋次郎演じる道間慎という男は、激しくネクラで、今で言うところの陰キャ。実父に人を殺めた過去があり、絶望の淵で淡々粛々と日々を繰り返しているような青年。

だからこその、冴えないダメ男。

そんな冴えないダメ男でありながら、5人のワケあり美女とひとつ屋根の下に暮らしている。しかも、美女たちの意思でそこに住まい、彼女たちは毎月100万ずつを彼に支払う。そして、なんだかんだで美女たちは、彼のことを放っておけなかったり、気になっていたり、好きだったりする。


・・・え?
なに、このおいしい状況。


と男性諸君はすかさず思ったに違いない。

わたしも思う!(・・・え。)

「綺麗なお姉さんたちと一緒に暮らせて、しかも毎月100万ずつ・・・ってことは計500万円払ってもらえちゃって、少なからず自分に好意的とは・・・おいしい!おいしすぎるっ!!この生活!」

(埼玉県民の人は、おなじみのローカルCM「うまい!うますぎるっ!!十万石まんじゅう!」のテンションで読んでみてください)

「現実には有り得ないようなこのハーレム的設定。ワクワク、ドキドキ、ムラムラを誘うバラ色の生活。男の夢、男の浪漫!お金たんまり、美女もたんまり。ああして、こうして、でへへへへ・・・」



と、ここまで想像力豊かな妄想を広げに広げた貴方にオススメな落語演目が「湯屋番」。


『100万円の女たち』の道間慎は陰キャだったが、『湯屋番』の若旦那はポジティブが着物着て歩いているようなネアカな陽キャ。

この『湯屋番』は、吉原通い(女遊び)が激しく実家に勘当されてしまった若旦那が、居候先の大工の熊五郎に仕事を斡旋してもらい銭湯に奉公に出るという噺。

親に勘当され、居候先に煙たがられ、やっと見つかった奉公先でも女好きが高じて、妄想に耽りすぎ仕事に身が入らない若旦那。

The ダメ男です。


「番頭になったら、女湯とか覗けちゃうじゃんっ!どーしよー♪男はみんな追い出しちゃって、ぜーんぶを女湯にしちゃう!」

「客の女が俺に惚れちゃうのよー。でさ、家に誘われちゃったりするわけ!で、一緒に一杯やっちゃうのよー、でさ〜、こーなって、そーなって、あーなってさァ〜・・・困っちゃう♪」

みたいな妄想を仕事そっちのけで番台の上で延々と繰り広げる、お気楽極楽野郎です。でも、なんかそこが、可愛くっておかしくって、愛嬌満載の憎めないキャラクター。


落語は、噺を耳で聞くだけのように思うかもしれないが、実は、五感全てで聴くものなのだ。すると、噺がきちんと映像化されて鮮やかに脳裏に浮かぶ。


この若旦那、お調子者でひょうひょうとしている放蕩息子だけど、キレイな顔をしたイケメンな気がする。きっと、ハンサムで色男。そして、女の子にはめっぽう優しいから、遊郭でもお茶屋でもモテモテ。

「もう、しょうがないんだからぁ♪」

って、田中みな実みたいな女の子に人差し指で、ちょんってやられちゃうタイプ。


もし、『湯屋番』でショートムービーをつくなら、若旦那役は菅田将暉氏だろうか。(auのCM時の鬼ちゃんみたいな)

もしくは、今ならEXIT の兼近氏かなー。カラーリングしたままの髪色で演じて欲しい。ダメな二代目ボンボンをうまく表現できる気がする。










・・・なーんてことを書いているわたしも大した妄想家だが、世界が鬱々としているこんな時期だからこそ、想像力に手伝ってもらって「バカバカしいけど、おもしろいなぁ〜っ!」って笑える心のゆとりこそが、今お洒落な気がしている。


そういえば、野田琺瑯のムック本、出たらしいですね!



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さや香 / 落語ジャーナル
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