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桂竹紋・立川かしめ 二人会 @道楽亭 20200630


「道楽亭まで・・・」


とタクシー運転手に言いかけて、続けるのを辞めた。

どうせ、いつかの新宿末広亭、深夜寄席へ向かうタクシーの二の舞なのだ。



「新宿二丁目の中にある“朱い鳥居のお店”ご存じですか?」


「いやぁ、ちょっとぉ。・・・今、二丁目ってクルマ入れないんじゃないですかぁー?」


露骨に厭な顔をされた。


どうして、こう寄席に行くときのタクシーはハズレばかりなのだろう。

まあ、ここで悪運を使い果たしたと思えば良い。後はいいことしかやってこない。

そもそも、短距離をタクシーに委ねるわたしも充分迷惑な客であるのだ。


“朱い鳥居のお店”は、日本屈指のゲイタウンであるこの新宿二丁目でイチバン目立つBarである。

インバウンドなマーケティングで賑わった街の、さらにその真ん中で賑わうお店。

週末の夜にはこの付近の十字路にタクシーがわんさかと溢れる。

“朱い鳥居”はこの街のランドマークだと思っていたが、タクシードライバーにまでは共有されていないらしい。

きっと、あの運転手は『テキサスで起きる竜巻の原因がブラジルの蝶の羽ばたきに有る』だなんて微塵も考えないタイプの人間なのだ。

とりあえず、タクシーには新宿御苑駅付近で降ろしてもらった。

今夜目指すは道楽亭である。



なんとか、10分前には到着!

わたしがイチバン最後のお客様だったけど、“ワタシの席”は空いていた。

かしめさん直々におでこに“ピッ”とやるタイプの体温計で検温してくれる。


めっちゃ溜めてから、

「・・・36.5度!大丈夫です!」

って、もう、焦るぢゃんよおぉうっ!笑





《ネタ帳》

動物園 新宿二丁目ver. / 立川かしめ
目薬 / 桂竹紋
だくだく / 桂竹紋
大工調べ / 立川かしめ




《感想》

【立川かしめ】
ちょちょら組の末っ子くん。

ちょちょらのフライヤーなどでお見掛けしておりました。

かなり立派な二ツ目昇進披露口上を2020年4月15日にYouTubeで配信されています。一之輔師匠、兼好師匠、遊雀師匠、総出演!

こしら師匠のお弟子さんだったのですね。

方々から物凄く可愛がられている印象。


本日の演目は

『動物園 新宿二丁目ver.』

・・・って、勝手に言ってみたけど、ホントのタイトルは何なのだろうか。笑

あの『動物園』にアレンジを加えて、いつものよりもちょっとコワい感じに仕上がってました。

一部では不評だったようですが、夜の二丁目にはピッタリな噺だったと思います。

個人的には通常版の『動物園』よりおもしろい!


よく考えたら、怪談でない噺で

「あ、コワいっ」

って、サゲで締める噺って少ないよなーと思う。


こーゆうの、これからももっとたくさん聴いてみたい。←



【桂竹紋】

『目薬』『だくだく』の二席。

『目薬』は根多下ろしだったようで、燃焼しされてました。


ほら、アレです。

「燃えた。燃え尽きたぜ、真っ白にな」

ってヤツ。←


ところで、『目薬』って、こんなにやらしく感じる演目でしたっけ?笑

うん、演る人に寄って与える印象ってこんなにも違ってくるのねと悟った瞬間。

勉強になるわー☆


(桂竹丸門下の方々は、シモ的な要素を抑えて古事記愛とか熊本愛で生きてゆくのかと思ってた♪・・・というのはわたしの独り言 ← イヤ、これからもわたしは“目薬”も“友達のさしすせそ”も観たいよ☆)

失った何かを取り戻すように、はたまた、縛られていた何かから解き放たれるようにのびのびと演られやる『だくだく』

ただでさえ、真っ白に燃え尽きているのだから、『だくだく』で、汗だくだく流したら干からびてしまわないだろうか。← うまい。自画自賛。

『だくだく』は、泥棒が家財道具一式無い男の家に盗みに入るノリとテンポがおもしろい噺。

なお、わたしはロッチの『変なノリ長いヤツ』のネタを観るたびにいつも必ず『だくだく』が頭をよぎります。


やっぱり、高座で一生懸命に汗かきながらの披露はグッとくる。

とても良かったです。

そんな竹紋さん、昇市さんと『Radiotalk』始めたみたい♪




《最後に》

強雨の月曜日。
夜の新宿二丁目。
ハイ、落語チャンス!

帰り道はもちろんタクシーなんか拾いません。

ゴキゲンでるんるんで家路を辿りました。

あー!今日も楽しかった☆







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