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春風亭一之輔のどっさりまわるぜ2023と冷たいビール
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「今、一番チケットの取れない落語家」がすっかり枕詞となっている春風亭一之輔の落語会に行ってきた。キャパ900名の銀座ブロッサムは満員御礼状態。遠く2階席から客席を眺めると、家族連れ、着物姿の妙齢の女性グループ、おしゃべりの止まらないおばさまペア、髪の毛がちょっと寂しくなったおじさんなどなど幅広いファンが酷暑をものとせずにぞくぞくと集まってくる。
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オープニングのトークコーナーでは、この会場で1000円以上のグッズが販売できないことを嘆く嘆く。目の前の中央区役所を人の輪で取り囲み、グッズを販売できるようにしようとお客さんに訴えていたが、当然皆さん取り合わない。
前半は朝之助さんの「唖の釣り」から師の「がまの油」、「かんしゃく」。これぞ一之輔ワールド、縦横無尽に次から次と言葉の速射砲でお客さんを笑わせる。つい先日人間国宝となった雲助師匠のモノマネまで飛び出すとは思いもしなかった。
中入り後の後半は、客電を落とし、前半とはうってかわって色恋の切なさを語る「たちきり」。
底抜けに明るい前半、静かに心に響く後半。陰と陽のコントラストがはっきりとした独演会だった。
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落語会のあとは軽く一杯がお約束。これだけ暑ければ当然、よく冷えたビールとなる。所は銀座、となればこちらも定番の銀座ライオンのビヤホール。
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とりあえずはこの夏限定のライオンエール。「銀座ライオン創業120周年時に販売された『銀座ライオンエール』をベースにした、夏にぴったりな爽快感ある味わいのビールです」とのこと。間違いなく旨い。
もちろん一杯で終わることはなく、次のビールは「ヱビス&ヱビス」。「ヱビスの良質な苦味とヱビス プレミアムブラックのこうばしい香りが絶妙のハーモニーを奏で、独特のうまさが際立ちます」なので、こちらも当然旨い。
ごきげんな落語とビールを満喫した7月の最終日曜日。土用の丑の日だったけど、鰻はまた別の誰かの落語会のあとにでも。